ピアノを弾くときの選曲の基準としては、「楽しく弾けて無理なく上達できるもの」が理想ですが、時には上のレベルの曲に挑戦するのもいいものです。
中には、それほど有名ではない曲もあるので、レッスンや良い趣味のための参考に。
- 音楽的な選曲をしたいものです
- 目標や目的にもよりますが、私はできるだけ音楽的に優れたもを選曲するように心がけています。その方が、メカニックな要素のみの曲を弾くよりも、結果的にはテクニックも伸びるようです。
難易度は、多くの要素を総合しての独自の判断ですので、あくまで参考程度に。
曲名・曲集名 | 難易度 | 内容説明 |
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キャサリンロリン ピアノの叙情詩 |
★★ | 最近人気のあるキャサリン・ロリンのピアノ曲集です。大人のピアノ初級者からでも弾ける曲集で、しかも演奏効果があるのでピアノの楽しさを十分に味わうことができるでしょう。歌うように弾く練習にも適しています。 詳しくは、当ホームページ内のキャサリンロリンピアノの叙情詩で解説をしています。 |
スーパーピアノレッスン8-12 フランス音楽の光彩 (NHKシリーズ) |
★★★から★★★★★★★ | 以前放送されて好評だった、フランス人ピアニスト、ミシェル・ベロフによるNHKスーパーピアノレッスン「フランス音楽の光彩」のテキスト楽譜です。 ベロフとドビュッシーやメシアンという組み合わせですから、フランスピアノ曲好きにはまさにピッタリのレッスン番組でしょう。レッスン曲も「子供の領分」から「スカルボ」まで多彩です。 |
ショパンピアノアルバム 全音ピアノライブラリー |
★★★から | 「幻想即興曲」をはじめ、「ノクターン2番」「ワルツ7番」「小犬のワルツ」「軍隊ポロネーズ」そして「別れの曲」など、ショパンの有名作品が詰まっているお得な楽譜集。 ショパンを弾いたことがない方や、技術的にそれほど進んでいない方は「雨だれ」や「小犬のワルツ」あたりから挑戦してみるといいでしょう。有名な「幻想即興曲」は連符を何となく弾くのではなく、しっかりと弾くようにします。 ワルツが好きな方はショパン : ワルツ集/パデレフスキ版第9巻か、下に紹介しているショパン ワルツ集 New Editionもいいでしょう。 当ホームページ内の豆知識ショパンもご覧ください。 |
ショパン ワルツ集 New Edition 解説付 |
★★から★★★★ | 2010年のショパン生誕200年に合わせて初めてショパンに挑戦という方には、まずワルツが譜読みがしやすくて弾きやすいのではないでしょうか。まずは9番や10番などを弾いているといいでしょう。 このワルツ集は新しい研究による版なので、従来のパデレフスキ版とは音が異なる箇所がかなりありますが、信頼性が高く遺作も収録しているので使いやすい楽譜です。 当ホームページ内の豆知識ショパンもご覧ください。 |
エリーゼのために |
★★から★★★ | エリーゼのほかに、「乙女の祈り」や「花の歌」など、初級から初中級くらいの人のための、ピアノ名曲が入っている曲集です。 ランゲ作曲の花の歌は、学習の初級者に人気の曲で、ちょっと本格的な雰囲気のするクラシックピアノ曲が弾きたいという方には、うってつけだと思います。ポイントを抑えれば、それほど難しくないわりには、華やかに聞こえるのでお得だといえます。 当ホームページ内の「エリーゼのためにのワンポイント解説」もご覧ください。 |
ベートーヴェンピアノソナタ集 (1巻) 全音(ハロルド・クラクストン校訂版) |
★★★から | 本格的なピアノ曲に弾き始めた中級くらいの人にピッタリの1番や5番・8番。技巧を向上させるのに適している11番や有名な14番(月光)など、ベートーベンのピアノソナタの名曲が揃っているのが1巻です。3冊そろえるのは大変なので、1巻があればいいでしょう。 ベートーベンのピアノソナタ集には、ヘンレ社の原典版やウィーン原典版、ペータース版などを使用する方が多いかもしれませんが、専門的に勉強しない方やピアノ先生が原典版を持っていて比べることができるなら、校訂に定評のあるハロルド・クラクストン編も良いと思います。当ホームページ内の豆知識ベートーベンで難易度と解説を掲載しています。 |
ロマン期名曲集(下巻) ピアノのための |
★★★から | ピアノ曲の時代区分を4期に分けた曲集のロマン期の下巻です。パデレススキーの「メヌエット」やアルベニスの「コルドヴァ」、スクリヤビンの「左手のためのノクターン」、ムソルグスキーの「涙」など、有名曲と珍しい曲の両方が選曲されているので、非常に使いやすい曲集で、ピアノ発表会の選曲にも役立ちます。 他にも、チャイコフスキー「舟歌」やジョン・フィールド「ノクターン5番」なども収録。 |
ウィーン原典版(227) モーツァルト ピアノソナタ集2 新訂版 (ウィーン原典版 (227)) |
★★★から | 2006年はモーツァルトイヤーで注目されたので、ピアノソナタに挑戦してみようという方も多いのではないでしょうか。有名曲の多くがソナタ集の2巻に入っているので、どちらか1冊という方は、1巻よりもこの2巻を持っていることがお薦めです。有名なハ長調のピアノソナタやトルコ行進曲などは簡単ではありませんが、練習する価値ありです。 当ホームページ内の豆知識モーツァルトでも、ピアノソナタの難易度と解説をしています。 |
メンデルスゾーン無言歌集 全音ピアノライブラリー |
★★から★★★★ | 近頃はこの曲集をレッスンに取り入れている方は少ないかもしれませんが、ベニスの舟歌をはじめ、プレストアジタートや詩人のハープ、葬送行進曲などの、聴いたことがあったり親しみやすいメロディーの曲がたくさん入っているので、ロマン派の音楽を上手に歌って弾く練習に、とても適していると思います。 題名のとおり、歌と伴奏という形式ですから、バランスをとって弾くことが重要です。当ホームページ内の豆知識メンデルスゾーンでも難易度と解説をしています。 |
ウィーン原典版(190) シューマン こどもの情景 作品15 |
★★から | シューマンのピアノ曲はそれほど派手さはなくても、質の良いテクニックを必要とする曲が多いのですが、この「こども情景」は初中級者くらいから弾くことができて、「見知らぬ国と人々」や有名曲「トロイメライ」などを含むシューマン独特の世界を楽しめる曲集です。 信頼性に定評のある赤い表紙のウィーン原典版シリーズは、ピアニストやピアノ指導者に多く使用されている楽譜です。 |
アルベニス スペイン組曲[作品47]・ナヴァーラ[遺作] |
★★★から | ピアニストであり作曲家で名を残している人は多くいますが、その中でもモーツァルトをも凌ぐ神童といえばスペインのアルベニスでしょう。 天才が残したピアノ曲は、どれもスペインの陰影と活発さを持つ素晴らしいものですが、中でもこの「スペイン組曲」は親しみやすく1曲は短めなので、中級者以上の方のレパートリーにもおすすめです。 |
メンデルスゾーン:ピアノ曲集 (2) |
★★から★★★★★ | こちらは無言歌以外の、「7つの子供の小品」やロンドカプリチオーソを含む曲集。特に中学生や高校生に人気のロンドカプリチオーソは、ゆっくりな部分と早くテンポの部分からなり、技巧的にも適度な練習効果のある部分があるので、普段のピアノ練習にもミニコンサートやピアノ発表会などの各種の演奏披露の場で弾いても映える作品。 なぜかプロが弾くことは少ないので、リサイタルで聴く機会は少ないですが。 |
ラヴェルピアノ作品選集 (1) |
★★★から★★★★★★ | ラヴェルのピアノ作品で簡単なものというのは無いのですが、ここにも収録されている「ソナチネ」は、その中でも比較的弾きやすいでしょう。といっても、古典のクレメンティやクーラウなどのソナチネのような音楽ではありません。2楽章が最も簡単で、次に1楽章。3楽章はかなりテクニックを要求されます。 他にも人気曲の「水の戯れ」も収録。こちらも難易度が高いですが。 |
リスト リートによる15のピアノ小品 |
★★★★から | フランツ・リストのピアノ曲というと、テクニックを前面に押し出して演奏するようなスタイルを際立たせるための曲というイメージを抱いている方も多いと思います。ピアノソナタロ短調や超絶技巧練習曲やパガニーニ大練習曲などは難しい作品ですが、他の作曲家の歌曲をリストがピアノにアレンジした作品は、歌のメロディーを壊すことなくきれいにまとまっている作品が多く、中級者でも練習次第では弾ける曲もあります。特にシューマン=リストの「献呈」がおすすめの曲です。 |
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