ピアノを弾くのですから、
ピアノという楽器
について、ほんの少しだけ知っておきましょう。
バイオリンなどの弦楽器、クラリネットなどの管楽器など多くの楽器が世の中にはありますが、中でもおそらく最も親しまれていて、身近な存在の楽器が「ピアノ」ではないでしょうか。
各家庭やコンサートホール、学校や様々な施設、ショッピングセンターなど、日本の多くの場所にピアノはありますが、そもそも「ピアノ」という楽器とは、どんなものなのでしょうか?ピアノについての基本事項を簡単にまとめてみましょう。
このサイトをご覧の方で、ピアノ購入を考えている方も多いと思いますので、予備知識だと思って読んでいただければいいでしょう。
このページの他に個別ページでも少し解説をご覧ください。購入時の基本的な知識にもなると思います。
ピアノとは
ピアノとは、「ピアノ(弱く)もフォルテ(強く)も出せる鍵盤楽器」で、「ピアノフォルテ」の略です。今でも略さずに言う国や地域もあります。
鍵盤を弾くと「ハンマーが弦を打って音を出す」楽器で、弦楽器の仲間でもあり、打楽器の性質もあると言ったらわかりやすいでしょうか。金属製の弦を強く力で張っているので、それに耐えられる頑丈で重たい本体になっています。
また、一部の例外はあるものの、「鍵盤数は88」・「ペダルは3本」備えています。そして単に「ピアノ」と言った場合は、原則的には「グランドピアノ」のことです。(ペダルについては、ペダルの豆知識のコーナーをご覧ください)
このような基本事項を知らなくても、鍵盤に触れてほんの少しの力を加えるだけで、ピアノを弾くことは誰でも出来ますが、最近は電子ピアノのみしか知らない人もいるので、ピアノが基本的にどのように音がでているのか、アコースティックピアノのフタを開けて構造を見たことが無い人も多くなってきている印象です。
とても簡単な歴史
ピアノの原型は、1700年頃にイタリアのクリストフォリという人が、当時鍵盤楽器の主流だったチェンバロを改良して・・・というような話を、一度は耳にしたことがある人も多いと思います。それからの歴史は長いので省略するとしますが、簡単にまとめてみましょう。
現在のピアノに近くなり始めたのはベートーベンの頃です。それからショパンやシューマン、リストといったロマン派の時代になった頃にはコンサートホールも次第に大きくなっていき、ピアノも音域をかなりの広がってきて、ペダルを含めて構造も変化していきます。
そして、リストの晩年の頃には、88の鍵盤を備えた迫力のある音量の現在のピアノにかなり近い状態になったようです。こうした時代によって変化、発達してきたピアノは、作曲にも大きく影響しているいえます。
ですから、モーツァルトもベートーベンも、現在の私たちから見ると、音がかなり貧弱で品質の良くない鍵盤楽器を弾いていたということになります(もちろん、当時の人にはそんな概念は無かったでしょうが)。また、職人の手作りで品質にも出来、不出来のバラつきもあったのでしょう。
現在のピアノも一流の職人が製作しているのですが、複雑で非常に多くの部品を必要する楽器なので、バイオリン製作などよりは、はるかに近代化された工場で製作される精巧で芸術的な工業製品でもあると言えます。
最近のピアノ事情
上記でも少し触れたように、現代ではピアノを専門的にやらない限り、「電子ピアノで十分」と考える人も多くなってきているようです。できることなら、アコースティックピアノの良さをわかっていただきたいとは思いますが、日本ではアパートやマンションでの騒音問題などの住宅事情もあり、音量が調節できて夜間や早朝でも気兼ねなく弾けて、さらにヘッドフォンでも弾けるなどの利点がある「電子ピアノで間に合う」というのは、現実的な選択だとは思います。
ただ、電子ピアノとピアノは、当然のように区別して認識する必要があり、鍵盤を弾くという点では似てはいるけど、異なる楽器なのです。
例えば「家にピアノはあるので」と言ったら、それはアコースティックのグランドピアノまたは、アップライトピアノのことです。電子ピアノなら「家にあるのは電子ピアノです」と言うのが当然だということは、踏まえておく必要はあります。
アコースティックピアノ(生ピアノ)と電子ピアノについて、一般的な事柄を個別ページにまとめてあります。
- 生ピアノ 〜 一般家庭用のアップライトからコンサートホールのグランドまでさまざまです。
- 電子ピアノ 〜 急速に普及した電子ピアノも、低価格から高級機種まで多くの種類があります。
- ピアノ部屋の環境 〜 ピアノを置いてある部屋の湿度や温度に気を配ってみましょう。
ピアノ選びなどの参考にお役立てください。