ピアノレッスンのヒント集

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楽器考察〜電子ピアノ

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素敵な楽器で楽しく上達

家庭で気軽に弾くなら、

電子ピアノ

という方も多いと思います。

ここでは、電子ピアノについての少し考えてみましょう。

生ピアノ(アコースティックピアノ)を毎日思う存分弾きたいと思っても、住宅事情や引越し頻度の多さなどもあり、電子ピアノを選択される方も、現実には多いと思います。また、価格の面でもリーズナブルという魅力もあります。


電子ピアノ雑学

電子ピアノが一般に普及してきた頃に比べて、かなり質がよくなった気がします。各メーカーとも、「グランドピアノのタッチ感」を意識した製品を目指しており、音質も向上しているようです。
基本機能がしっかりとしていて低価格のコストパフォーマンスが高い物と、グランドピアノに限りなく質が近づいていく高級タイプの物の二分化というのがここ数年の傾向であり、おそらくこの先もそういった傾向は続くのではないかと思われます。

電子ピアノの音とは、どういったものなのでしょう。一般的にはどのメーカーの電子ピアノも、高級グランドピアノの音を録音した音(サンプリング音)を元に使用しているようです。強弱は打鍵を数百段階のレベルで判定して、音の強さに表しています。
ですので、1音1音は澄んだ音という印象を受ける方も多いようですが、アコースティックピアノで多くの音を弾いたときのような、弦の共鳴による重厚さの効果は、電子ピアノではなかなか出せません(そのような工夫はされてきているようですが)。

ピアノとはそうした根本的な違いがありながらも、各メーカーが力を入れているのは、気軽に始められるなど、やはり電子ピアノに対する支持が高いこともあるでしょう。
以下に代表的な電子ピアノ製造メーカーをあげてみます。

メーカー一口コメント
CASIO カシオ 電子ピアノとして最も人気があるカシオ製品。プリヴィアとセルヴィアーノの2機種の系統があります。
KAWAI カワイ 日本の代表的なピアノメーカーのカワイ。電子ピアノでは用途に応じた4種のシリーズのバリエーションがあります。
YAMAHA ヤマハ 誰もが知っているピアノメーカーのヤマハ。ライトなものからグランドアクション採用の高級機種まで、多彩な機種があります。
Roland ローランド 定評のあるローランドの電子ピアノ。コンパクトからグランドタイプまで、4種のシリーズが揃っています。
KOLG コルグ 様々な電子音楽機器のメーカーとして定番のコルグ。電子ピアノはコンパクトとコンサートの2種のシリーズがあります。

電子ピアノの選択のコツと注意点

だいたい以下のような点を考慮して選んでみるといいでしょう。

予算はどれくらいか?
やっぱり値段が一番気になるところですね。数万円から、高いものは50万以上のものまであります。高価なものは確かに高品質・高機能で音色数が多いですが、最近は低価格のものも質はいいようです。これからピアノを始める方は、数万円から10万円くらいのモデルでも、十分だと思います。
主な用途は?
電子ピアノというものに対して、どこまで何を要求するのかで選択も変わってくるでしょう。ピアノのレッスンには通うが家では電子ピアノなら、タッチが本物のピアノに近いことを重視したもの。そうではなく、気軽に電子ピアノとして弾くなら、機能や音色数を抑えた低価格なものまでいろいろ。
最近はどの機種もMIDIの口ありなので、パソコン接続はOKで音楽作成にも役立ちます。「仲間とアンサンブルをするので多彩な音色が必要」とか「基本機能の充実で十分」など、ご自分の用途に合わせて選択しましょう。
大きさや重さ
意外と見過ごしがちな大きさと重さ。機種によって結構違います。ひとりで持ち運びができるものから、大人2人では普通には運べないドッシリ大きいとした本格派なものまでいろいろですので、置くスペースと相談です。高さと奥行きはアコースティックピアノよりコンパクトでも、幅は88鍵なら同じくらいだと認識しておきましょう。
ペダルをチェック
これも見過ごしやすい点です。クラシックを中心に弾くならグランドピアノを同じ(ような効果の)標準3本ペダルのものを。気軽に使うならダンパーペダル1本の付属でもいいですね(ただし付属のようなダンパーペダルは使いにくいものが多いようですので確認してみましょう)。
アコースティックピアノの代用になるの?

ピアノを習い始めのきっかけや、それほど専門的にはやらない方は、電子ピアノをピアノの代わりに使用しても悪いことではありません。ただ、本格的にピアノをやろうと思っている人にとっては、電子ピアノの問題点はあると思います。
どんなに進化してきたといっても、生と電子では音が鳴る仕組み自体が根本的に違います。機種によっても違いますが、電子ピアノは通常、打鍵の強さ(スピード)の違いを、ある程度大まかな段階で再現するので、演奏の不備が目立たない傾向があります。ですから、普段は電子ピアノで練習していると、生ピアノを弾いたときに予想以上に違う感覚を体験したり、ヘタに聴こえるようです。
音が室温や湿度によって弦や本体の振動が変化することもないので、そういったことに気を配らなくていい反面、それを体験できないとも言えます。
そうした様々なことから、ピアノと電子ピアノは「似て異なる楽器」との認識は、絶対に必要です。

また、電子ピアノを生ピアノと同じように本格的な大曲を弾くと、壊れてしまう危険性があります(よほど強く弾かない限り大丈夫だとは思いますが、低価格機種だと注意です)。
クラシックでいうと、電子ピアノが耐えられるパワーは、10万円クラスのものでベートーベンの初期のソナタ程度だと思っていた方が無難です(ピアノの打鍵の強さは個人によって大きく異なりますが、曲で表すとしたらの例えだと思ってください)。もちろん、ロマン派以降の作品や近代・現代曲でも、それほど強烈な打鍵が必要でないものについては心配ないでしょうが、そこまで弾くのならやはり物足りなさを感じてしまうのも実情で、ピアノ入門に電子ピアノを買ったけれど、数年もしないうちにグランドピアノやアップライトピアノに買い換えたという人は、意外に多いようです。

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