ピアノレッスンのヒント集

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上達のヒント  実践編 ブルクミュラー アラベスク

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初級教材として使用されることが多いブルクミュラー25練習曲から特に人気の「アラベスク」を取り上げてみましょう。


アラベスク Arabeske opus 100  ブルクミュラー Burgmuller

全体を見渡してみても譜読み的には単純で、変化の要素も極めて少ない。だが、この曲をうまく弾けていない人が多いのも事実かもしれないので、指を動かすという点も含めてみていこう。

譜例1

冒頭から繰り返し出現する16分音符メロディー(譜例1)に、苦労した経験のある人も多いと思う。アラベスクに挑戦するレベルの人はこの16分音符でつまづいてしまうケースは多い。

本質的には良いテクニックをもって、しっかりと指を動かなければ解決できない場合もあるが、そういったことではなく、ぎこちなさを無くこの16分音符を弾く方法としては、よく頭の音符にアクセントをつけるようにして弾くと良いなどと言われる。

ところが、それがうまくいかない人も結構いる。頭の音符(この場合はラ)を強調しようとすると、弾く直前に既に腕に力が入ってしまう人もいて、そうするとラ シ ドくらいで、もうつまづいてしまうのだ。

そういった人は、頭のラを強調するような意識は一度捨てよう。そしてラ シ ド シ ラをひとまとまりで、腕に力は入れないで軽めに弾くようにやってみる。むしろ頭のラは他の音より弱いくらいの意識で、中間のドに向かっていくつもりでもいい。

軽くいこうという意識によって、腕や指の関節に余計な力が入らなくなると、今までぎこちなかった箇所もスムーズに弾けることがある。それができたなら、拍の頭の音を少し押すような気持ちで、拍感を出していけばいいだろう。


譜例2

そういう意味では、左手に出てくる似たような16分音符の音型(譜例2)も、苦手は人は同じような気持ちで弾くといい。冒頭の#ソを強調しようとすると次のラやシを弾く2と1の指が動きが固まってしまうこともあるので、#ソを強く弾くのは一度やめる。
そして軽めに弾くのは同じこと。練習の最初の段階では少々弱くても問題ない。

左手が苦手で動きが鈍くなってしまう人は、シを弾く1の指の動きに気を配るといい。親指はどうしても素早く動かないので、下げる動作で鍵盤を弾くということを、いつもより少し意識に持つと上手く弾ける場合がある。

このように意識の持ち方を変えると、自分にとって難しいと思われる箇所でも解決方法が見つかる場合があるので試してみるといいだろう。またこの部分の曲の盛り上がりは、右手の旋律にまかせてもいい。


譜例3

意外にミスが多いのが、左手の16分音符を乗り切ったとホッとしがちなココ(譜例3)。
ここの左手はよく指使いを確認すること。楽譜によっては細かく指番号がついているものもあるので、まずはそのようにやってみればいいだろう。
もちろん、弾きにくいと思うときは自分で指使いを考えて工夫するのが一番。4や5の指を使う方がいいと思う人は、それでもOKである。


譜例4

あとは冒頭と同じような感じなので問題がなさそうだが、実は最後の和音をはずす人が結構多い。(譜例4)ミレドシラを弾いた後に、和音を探すようなことが無いように、鍵盤の位置はしっかりと確認しておく。

コツとしては、ミ レ ド シ ラのラを弾いたときに、手をポンッと弾むような感じで最後の和音に到達する感じで、一連の動作で弾けるといいだろう。鍵盤よりも少々上の空間を、弧を描くように手が移動するイメージで弾ければプロっぽくてかっこいいフィニッシュになる。

ワンポイント

この曲集は子供から大人まで幅広く使われているが、この曲集を弾こうとするレベルだと、どの年代でもアラベスクをしっかりと弾くのにはそれなりの練習が必要だろう。
また他の収録曲よりもメカニックな感じがするので指の動きのみに気持ちが集中しがちだが、ピアノ音楽として弾けることが大事。リズムよく弾きたいので、4分音符の拍感もポイントとなる。


いかがでしょうか。16分音符が大変だという人も、まずはゆっくりと練習することが大事です。
もちろん、これ以外にもチェックポイントはありますし、ここにあげたことが正しいわけではありません。あくまでひとつの例だと思って、活用してください。

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