ピアノレッスンのヒント集

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上達のヒント  少し中期の計画をたててみる

  1. 上達のヒント
  2. 指の練習の前に
    基本ポジションを確認しよう
  3. 指を鍛える
  4. 音楽的に
  5. 拍子の基本を大事に
  6. 実践編
  7. 大人のピアノ
  8. 左手特訓講座
  9. 左手特訓実習
  10. 音階を弾く親指
  11. 音階を弾く2手首の移動
  12. 音階を弾く3練習しよう
  13. 和音を弾く
  14. 3度和音で指練習
  15. 分散和音(アルペジオ)を弾く1
  16. 分散和音(アルペジオ)を弾く2広い音域
  17. 指使いを考える1
  18. 演奏の難所練習法
  19. メトロノーム活用
  1. 鍵盤感覚
  2. 初見で弾こう
  3. 初見で弾こう2
  4. 譜読みを速く
  5. 和音とコード
  6. 練習メニュー
    を考える
  7. 練習メニュー
    メイン曲の難易度調節
  8. 練習メニュー
    1日の練習
    初中級編
  9. 練習メニュー
    アンサンブル
  10. 8割の演奏を目指して
  11. 発表会で緊張しないために
  12. 中期の計画をたてる
  13. 作曲家一人を集中的に
  14. 録音を練習に

ピアノを弾くということは、ほとんどの場合は急激には上達しないので、ある程度長期の計画性のある練習とレッスンが必要になってきます。
数年単位の長期計画をたてるのは少し大変な作業なので、1年くらいの中期の目標や計画を考えると、練習への取り組みも集中力が増すようです。

ピアノのレッスンの進行は、1年の区切りとは関係が無い人も多いでしょうが、特に今年はショパンとシューマンの生誕200年という記念年なので、少し大きな曲を弾きたいと思っている方もいると思いますので、新年の2010年が始まったばかりの気持ちが新鮮な時に、これから1年を何となくでも考えてみてはいかがでしょうか。


目標や計画を考えてみましょう

今年の目標や計画というと、「コンクールで予選突破で本選出場」や「発表会で大曲を弾きたい」といったものもあると思います。そうなると「いつまでにこの曲を仕上げよう」と、目標へ向けての計画も定まりやすいでしょう。
でも、ピアノを楽しく弾くことが目的なら、そんなに具体的で大きな目標でなくてもいいのです。「よし、あこがれのあの曲を今年は弾こう」とか「今やってる練習曲集を半分くらいは終わらせたいな」といった、普段やっているピアノ練習の延長線上になる身近な目標もありそうで、たくさん頭の中に浮かぶと思います。

弾きたい曲や目標がたくさん

そのような大まかな目標で良いのですが、考えていると結構たくさん弾きたい曲が浮かんでくるものです。
しかし、それが自分自身に合った目標なのかを、しっかりと考える必要なあるでしょう。あれもこれもといった、明らかに無理をするような無謀な計画では意味がありません。


自分の現状を把握する

目標がたくさん浮かんでも、まずこれまでにピアノで弾いてきた曲や曲集、練習曲集などについて、整理してみることをおすすめします。
最近の1年間は何をどれくらい弾いたのか、または最近弾いて仕上げた曲を、5曲くらいを思い出してみましょう。例えばAさんが最近は以下のような曲を弾いていたとすると

それぞれの曲は、自分自身にとってどれほどの難易度に感じて、どれくらいの期間かかって仕上がったのでしょうか。また、仕上がり具合はどんな感じだったのかを、よく考えてみましょう。
例えばAさんにとっては、「インヴェンション」は少し苦戦気味、「ソナチネアルバム」はもう少し丁寧に音の粒を揃えて弾きたい、「ノクターン 9-2」は譜読みに苦労したけど良くなってきた、「ブルクミュラー25」は進むペースもできていてかなり余裕・・・そんな感じかもしれません。

このように、練習曲集や番号順に進めていく曲集を順番に進めて弾いているなら、最近はどれくらいのペースでしょうか。1週間に1曲なのか、2週や3週で1曲が仕上がっていくペースなのか、おおよその現状を把握してみましょう。1年間でどれくらい弾けたのでしょうか。また、大きめのメインとなる曲には、仕上がりにどれくらいの期間が必要だったでしょうか。

そのような最近半年や1年くらいの自分自身のピアノ生活の現状を、楽譜などを見ながら、だいたいでよいので把握してみることが、計画をたてる際の第一歩です。


現状から先の計画を

おおよその現状が把握できると、この先1年くらいの計画もたてやすくなると思います。

計画のポイント

理想は高くですが

理想は高く持って「あの曲を弾けるようになりたい」と思うことはとても良いことですが、1年くらいの上達を考えた現実の目標となると、少し異なります。
例えば上の例のような「ショパン ノクターン9-2」などの曲を弾いているAさんは、仕上がり具合はある程度良かったとします。しかし、次の目標曲がリストの「愛の夢 第3番」などでしたら、少し(人によってはかなり)遠いので、1年くらいではそのレベルに達しないかもしれません。
もちろん、「愛の夢」を将来の目標にしても良いのですが、今年1年くらいの中期の目標にできるのかは、これまでやってきたことをふまえた上で先を考えると、だいたい想像がつくと思います。
長期的な理想は高くても、1年くらいの中期には目標は現実的にして、この場合は例えば、がんばれば弾けそうなドビュッシーの「2つのアラベスクより第1番」にする、といった感じです。
実力は着実に上げていくものであり、無謀曲にばかり挑戦していると、いつも仕上がりが中途半端となる癖がついてしまう場合もあるので注意が必要です。

ペースを考える

目標への半年から1年くらいの中長期の計画というと、多くの人が「今よりもペースをあげる」ことを考えるかもしれませんが、どうでしょうか。

順番に進行する練習曲で、2週間で1曲の練習曲を仕上げていくペースだと、1ヶ月で2曲です。単純に計算して1年間で24曲ですが、レッスンを休むこともあり、現実には単純ペースでは進行しません。2週に1曲でも20曲くらいでしょうか。
さらに、今使っている練習曲集の先のページも見てみると、後になるほど技術的に難しくなり、曲も長くなるケースがあります。そうなると、ペースはもう少しゆるやかになるのが一般的です。

ピアノの練習時間を増やせば進行を早めることはできます。しかし、人にもよりますが、急速なペースアップは、多くの場合あまり良い方向性とは言えないでしょう。最初はペースアップがうまくいっているようでも、その決めたペースを守れなくなった場合に、逆に急速にペースダウンする人もいるくらいです。

そこで、現在のペースでまずまず良い感じだと思われている人は、ペースアップよりも仕上がり度のアップを目指した方が、上達には効果的にように思います。それが身についてくると、少しずつペースもアップしていくものです。

弱点を補う

ある程度の年数ピアノを弾かれている方なら、ご自分の弱点を何となくでも理解しているでしょうから、そうした弱点を克服を重要目標にしても良いと思います。指の動きから、苦手曲への挑戦などいろいろと思い浮かぶと思います。
サイト内でも、音階やアルペジオ、鍵盤感覚、初見演奏などについても触れていますが、どのような分野の弱点克服をするにしても、現状の練習メニューや曲目を一新してしまうのではなく、ほどよく追加または一部を入れ替えする程度にしておくくらいが、ペースを乱さないポイントだと思います。

新ジャンルに挑戦

全く弾いたことがなかったり、以前に少しだけしか弾いていない作曲家のピアノ曲に挑戦するのも、良い目標になると思います。
例えばこれまでにシューマンをほとんど弾いたことがない方は、いきなりソナタなどの大きい曲でも良いのですが、「子供の情景」を少し弾いてから「幻想小曲集」を少し弾いてみるなど、数曲弾いて親しんでみるのも良い方法です。自分にとっての新ジャンルの作曲家というのは心を新鮮な気分にしてくれますから、ピアノを長く弾いてきた方も、1年の中で1人か2人くらいは弾いたことがない作曲家に挑戦してみるといいでしょう。

メインの曲数は限られる

上記のペースとも関連しますが、1年間に弾ける大き目のメイン曲の数というのは、限られているものです。同時に持っている曲数にもよりますが、メインの1曲に2ヶ月かかったとしても、年に6曲。1曲に3ヶ月かかれば、年に4曲くらいしか、大きめの曲を仕上がることはできません。

これは当然のことのように思いますが、意外にも見過ごしがちな点であり、「あの曲も、この曲も」と当初は構想を抱いていても、半分も弾けなかったという人はいるものですから、目標にする大きめの曲は、ある程度絞ってみた方が現実的でしょう。練習メニューを考える〜曲数は多くでも複数の曲を持って練習することをすすめてはいますが、多くの人の場合1年間に弾けるメインの曲数というのはそれほど多くはないものかもしれません。

例えば2010年ショパンイヤーということでショパンを数曲取り組もうと考えている方でも、中級者ならワルツやノクターンを中心に現実的な選択を、中上級者以上の方で大きめの曲を考えている方はスケルツォやバラードからまず1曲を選び、余裕があるなら他にも弾いていくというくらいが良いのではないでしょうか。


柔軟な目標を持って
ピアノを専門に勉強している人は、年間にかなりの曲数を弾き、常にある程度のペースを維持する必要がありますが、趣味のピアノ弾きは、生活の一部としてピアノを楽しんでいるのであって、計画を綿密にする必要もないでしょう。時にはペースがダウンすることもあるので、1年の計画や目標にも柔軟性があって良いと思います。
それでも、独りでただだらだらとピアノを弾き続けると、なかなかペースも快調にならないものですから、年間のおおよその予想を考えてみるだけでも、心の持ち方も変わってくるでしょう。
発表の場を目標にする場合
コンクールや試験などの成績を、明確な目標にする人もいるでしょう。「優勝や上位入賞」、「試験合格や点数」などをピアノ練習のモチベーションの向上にすることは、人によっては効果がある場合もあるので、方法のひとつではあります。
しかし、そういった成績関連の目標では、心が窮屈に感じる人も多いのも事実でしょうし、「コンクールの賞狙いの演奏法」のようなことを学ぶことは全く逆効果です。国内の大きなコンクールでも、「まさか全国大会で賞をとれるとは思っていなかった」という上位入賞者も多いくらいですから、日ごろの練習といつもの曲の仕上がり具合が、そのまま評価されると思いましょう。
成績は普段の練習の通過点であり、「結果としてついてくる」という意識の方が、練習に集中できて好成績につながるのかもしれません。