ピアノレッスンのヒント集

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上達のヒント  指を鍛える

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  13. 作曲家一人を集中的に
  14. 録音を練習に

よい指の動かし方をいている人は、普通の曲を弾いているだけで、それなりにピアノ演奏に必要な指ができてくるものだと思います。
ですから、本来は曲を弾いていれば、特別な指の練習というのは必要性が少ないのですが、現実問題として、曲の難易度が上がってくると、多くの人は指をうまく動かすのに、苦労していることでしょう。

しかし、指を鍛えるということは、ハノン教則本を毎日何十分も練習することではないのです。もちろん、ハノンを毎日いっぱい弾けば指は鍛えられるかもしれませんが、あまりに非効率的です。
そこで、ピアノを弾く手や指の動きの基本事項と、普段の曲で指を鍛える方法を考えてみましょう。

ピアノを弾かないときの指運動や少しの空き時間には、
こちらの気軽に指訓練をどうぞ。


十本の指の独立が大切

指をしっかりと思い通りにうごかすには、指のそれぞれの神経が独立していて、尚且つある程度の筋肉がついている必要があるかと思います。

毎日、何時間も練習する人であれば、自然にピアノを弾くに見合った指の筋肉がついてきて、神経の独立性も備わってくるかと思いますが、誰でもそういうわけにはいかないようです。そこで、指が個々に神経を独立して、筋力もしっかりとつく私なりの方法をご紹介いきます。

その前に、そもそも指の神経は全てがバラバラに動くのでしょうか?

10本の指の神経が脳からの演奏指令をそれぞれにバラバラと働くことが出来れば、どんな曲だって弾けそうな気がしますよね。事実、一流のピアニストはそうやって弾いているように見えます。ではそんなことが可能なのでしょうか?

実は答えはNO!……でも、ピアノを弾くためだけに限れば、半分はYESでしょうか?
と、何だかよくわからない回答をしてしまいましたが、答えは難しいので一概には言えません。指の神経が、完全に10本がバラバラに動くことは、人間はおそらく不可能です。特に、3・4・5の指は神経の伝達がつながっているので、これらが完全に独立することは、おそらくないだろうと思われます。

でも、ピアノを弾くためにということに限った動作ならば、ほぼ10本を自由に動かすことは、不可能ではありません。ピアノは難曲を弾くためでも、指の神経はそこそこ独立性があれば可能だからです。


ゆっくり確実に弾く

では、具体的にどうしたら、指の神経を独立させて、必要な筋力をつけることができるのでしょう。
今まで多くの人がやってきて、効果があるといわれているのは、ゆっくりと弾くということです。

やり方自体は簡単。あたなが弾きたい曲を用意してください。何でもいいのですが、あまり難しいと感じるものではなく、幾分やさしいものの方がいいでしょう。
その曲を、とてもゆっくりと弾きます。ただゆっくり弾くだけではありません。指の1本1本の神経が、しっかりと自分の意思どおりの命令を実行しているか、確認するように弾きます。そうすることによって、特に3・4・5の指が、これまでいかにあいまいな指令で動いていたのかを、実感できると思います。

この練習は、同時に筋力を得ることができます。筋肉というのは、速い動作をしても、あまり鍛えられいことは、様々なスポーツ分野のトレーニング研究からわかっています。ですから、このゆっくりとした動作を確実に実行することによって、ピアノを弾くのに必要な指の筋力がつくのです。

気をつけたいポイントとしては、ムダな力を入れないということです。ゆっくりと弾くときにも、腕や鍵盤を弾いていない指は、力を抜くことを心がけましょう。あまり力を抜くことを意識しすぎても、反対に力が入ることがあるので、注意が必要。

ここまでで、だいたい要領はおわかりいただけたと思います。要するに、鍵盤を弾く指のポイントを意識できていて、5本の指を独立させて動かそうという意識があるならば、指の練習には何を用いてもいいのです。ハノンが好きな方は、毎日数曲を10分くらいやれば十分でしょうし、他にももっと効果的な指の練習曲もあります。


でも速くも弾く

といった感じで、指の神経と筋力を鍛えることに集中しようと思ったら、ピアノはゆっくり練習するだけでいいのです。譜読みも兼ねて、曲も弾けるようにもなります。ピアニストに中にも、リサイタルの2日前まで、ゆっくりとしか弾かないなんて人もいるくらいです。

でも、自分の中に完璧なリズム感と曲のイメージがある人ならいいのですが、そうでない場合は、ゆっくりとした練習だけでは、どうしてもリズム感まで鈍ってしまい、いざテンポに戻して弾いたときに影響がでてしまいます。また、ゆっくりとした動作と速い動作では、速さだけでなく動きの質が違います。

ですから、ときどきはその曲のテンポで弾くといいでしょう。ゆっくりで弾けていたなら、ある日突然速めに弾いても、きちんと弾けると思います。メトロノームを使って、少しずつ速くしていく練習をしなくても、大丈夫です。このゆっくりと速めを繰り返して練習することも、指の練習になります。


指の練習おまけ

指の神経や筋力に関することというのは、結局はピアノ演奏者本人の内部意識です。ですから、基本のファームなども、多少違っていても、本人が鍵盤を弾くポイントが意識できていて、余分な力がはいっていないと感じているならば、それでいいのです。
ですから、ハノン教則本などをたくさんやる場合でも、鍵盤を弾くポイントと基本のフォームを身に付けた上で練習すれば、一日に10分くらいで十分すぎるくらいの指の強化練習になります。
あとはそれを積み重ねると、意識をしないでも指が動くレベルまで高めることができて、ピアノを弾くという指の動作が、「食事をする」ことや「ハミガキをする」ことのように、普通の日常動作に近い感覚までもっていけます。
逆に、ただ漠然とハノンのような練習曲を毎日やっても、弾くポイントや無駄な力を抜く・指の独立性などの意識を持っていなければ、ただ疲れるだけで、ほとんど効果はありません。毎日1時間のハノンを何年もやっているけど、指が自在に動かない人というのを、今までに何人も知っています…。


それでも指の強化練習という人へ

と、ここまで読み進めていただいても、ピアノのための指の神経独立や筋力強化をしないではいられないとい方もいるでしょう。だからといって、ハノンなどに時間を沢山とられるのも…という方には、下のようなものもあります。

指の強化課題例

こんな感じのを見たことがあるでしょうか。数字は指番号です。
全音符で伸ばしている音は、鍵盤を弾いたままにしあす。そして、ゆっくりでいいので、8分音符の音を弾いていきましょう。小節は関係ありませんので、小節内で8分音符の音を何度か繰り返して弾いてください。

やってみるとかなり難しいことがわかると思います。8分音符をレガートで弾いたり、スタッカートで弾いたり、慣れてきたら少し早くしてみてもいいでしょう。
2小節目は、弾いたまま維持する音が変えてありますね。こんな感じで考えてみれば、様々なパターンが思いつくでしょう。この要領で数パターンをやっていけば、ピアノを弾くための指の神経独立と筋力強化のかなりのトレーニングになります。

もちろん、こういった練習はやりすぎは絶対にいけません。特に慣れないうちは疲れが早くきますので、疲れを感じる前に休息をとり、また少しやってみるという感じで練習します。

時間的には長くても10分くらいでやめたほうがいいでしょう。効果的ではありますので、普段の練習の中に上手に取り入れてみてください。

こちらの3度和音で指練習なども指の強化に効果的ですので、ご覧いただき適度に取り入れてみてもいいと思います。

ピアノの前でなくてもちょっとした指の運動には、気軽に指訓練をご覧ください。

また、楽曲と教材にもいろいろな練習曲集やテクニックの本の紹介もあります。
ハノンでの効果的な指練習はハノン移調で指練習をご覧ください。