ピアノレッスンのヒント集

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上達のヒント  練習メニュー1日の練習 初中級編

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  16. 分散和音(アルペジオ)を弾く2広い音域
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  13. 作曲家一人を集中的に
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ここでは1日のピアノ練習メニューを考えてみましょう。どのようにすると、効率的なメニューが組めるのでしょうか。

ピアノ上達のためには、複数の曲の同時進行やタイプの違う音楽など多彩なメニューを組んだ方が良いことはわかっていても、実際に1日のうちでピアノに向かえる時間は限られています。その限られた時間をできるだけ有効に使って上達しましょう。


人によって異なる

1日の練習時間や内容は、ピアノを弾く人のレベルやピアノ経験・得意不得意な分野・住宅事情や目標など、ひとりひとりによってピアノを弾く目的や環境は大きく違いますので、一般論的はことは参考にならない場合も多いものです。
音楽大学のように練習室が並んでいる環境だと、どのくらいのレベルの人がどの程度・何を弾いているのかという練習の事情が把握できることもありますが、一般には他人のピアノ練習事情を知ることは困難ですので、自分と比べることもできません。そして、他人の練習内容が参考になるわけでもありません。

ピアノは時間で練習するものでもありませんが、参考的なメニューがあると、ひとつの目安にはなると思うので、ここでは初中級くらいのAさんを例にみていきます。


趣味で弾くなら1時間くらい

専門分野を目指すのではなく、趣味でピアノを楽しむけどある程度は上達したいという人は、1日のうちでピアノに向かえる時間は、1時間くらいでしょう。長くても2時間もとれないと思います。

練習は時間ではなく内容が大事ですが、時間がなくては弾けません。その意味では1時間あれば十分です。あとはその使い方が問題です。同じ1時間でも、使い方によって上達のスピードと演奏に質に大きな影響がでます。

では1日に1時間があるとすると、どのようなメニューが考えられるしょうか。指の動きは確立していないけど、結構弾けるようになってきて、現在「エリーゼのために」をメインで練習中ピアノ歴2年のAさん13歳を例に見てみましょう。

10分間 20分間 30分間
教則本などを使った、指の準備運動と音階などの練習 簡単なバッハなどの、メイン曲以外の練習 重視しているメイン曲「エリーゼのために」の練習

どうでしょうか。悪くない配分だと思われます。指の練習的なものは5〜10分で十分ですし、メインに半分の時間を使用しているのですから、いい感じだと思います。普通は1時間だとこれくらいが精一杯でしょう。

しかし、この時間配分は悪くないものの、1時間を集中してできるでしょうか。人間の集中力というのは、それほど長くは続かないものです。特に子供はそうです。ですので、1時間を2回に分けるのもいい方法です。

練習の2回に分けたパターン
5分間 30分間 5分間 20分間
1回目 教則本などを使った指の準備練習 メイン曲「エリーゼのために」の練習 2回目 教則本などを使った音階などの練習 簡単なバッハなどの練習

こんな感じで分けてみると、1回の練習は30分前後になります。そしてできれば、1回目と2回目の間を少し空けましょう。10分の休憩ですぐに2回目の練習をするのではなく、少し時間を空けます。例えば、学校から帰ってきて1回目のピアノ。そして夕食前か夕食後に2回目のピアノという感じです。

このように1日の練習を時間を空けて回数をこなした方が、より上達することはピアノに限らずよく知られています。部活の朝練(早めに学校へ行って部活の練習)が効果的なのも、放課後と2回の練習になるからです。

ですから本当は朝と夕方のようにもっとピアノを練習する間隔をとれればよいのですが、現実には難しいでしょう。朝は忙しいですし、生ピアノだとご近所への配慮も必要ですから。


もう少し時間をとれるとしたら

では、1時間よりももう少し多くの時間をピアノに使えるとしたら、どんなメニューが効果的でしょうか。
Aさんが1時間30分くらいはピアノを弾くとして見ていきましょう。

15分間 30分間 45分間
教則本などを使った、指の準備運動と音階などの練習 簡単なバッハなどのメイン曲以外の練習 重視しているメイン曲「エリーゼのために」の練習

単純に各練習の時間を少しずつ増やすとすると、このような感じになるでしょう。指練習を5分増やして、副に10分とメインに15分をそれぞれ増やしています。

これも一つの選択肢です。特にメインの曲の仕上げに重点を置く配分といえそうです。
しかし、同じ曲を40分以上も弾くのは疲れも出てきますし、時間が30分増えたなら、他の何かをプラスしたほうが長期的な上達を考えた場合には有効だと思われます。

日替わりメニューをプラス

そこで何かをプラスする方向で考えてみます。

10分間 20分間 30分間 30分間
教則本などを使った、指の準備運動と音階などの練習 簡単なバッハなどのメイン曲以外の練習 ○○○○を練習? 重視しているメイン曲「エリーゼのために」の練習

この○○に何を課題にするかですが、それほど考えなくても、日替わりのメニューでも面白いと思います。
例えば、「今日は初見練習を多く」「今日はいつもより音階を多く」「次にやりたい曲の譜読みを少しやってみよう」「伴奏づけの練習をしてみようかな」などと、柔軟性を持たせてもいいと思います。

もちろん特定の曲を増やしてもいいのです。「エリーゼのために」を弾く程度の人でしたら、モーツァルトやメンデルスゾーンなど選択の幅が広がってくる頃です。ショパンなども簡単なものなら弾けます。
では表にしてみましょう。

5分間 15分間 20分間 5分間 10分間 30分間
1回目 教則本で
準備練習
初見演奏や
コード伴奏・
POP弾き語り
副曲バッハなど 2回目 教則本で
音階やアルペジオ練習
次のメインの譜読み メイン曲
「エリーゼのために」

もちろんこれは一例です。1回目と2回目の順序は日によって取り替えてもいいですし、無理に分けなくてもいいのです。
また、いつも準備運動的なものから入るクセがつきすぎてもいけないので、時にはいきなりメイン曲を練習して、逆に進んでいくのもいいでしょう。

このように、だいたいでいいですから、自分の練習パターンができてくると、毎日のピアノ練習にリズムが生まれるので、上達に良い影響があると思います。

実力以上にたくさんのものに手をつける必要なありませんが、初見やコードをつかった伴奏などを遊びのように取り入れていると譜読みスピードもアップしますので、時間がある方は上手に入れていくといいと思います。