ピアノレッスンのヒント集

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上達のヒント  初見で弾こう2 練習してみよう

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  16. 分散和音(アルペジオ)を弾く2広い音域
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初見の練習を、普段のピアノ練習で上手に取り入れる方法を考えてみましょう。
初見で弾こうであげた説明を、実践的に練習していくにはちょっとしたコツがあります。下記に挙げた方法や提案の中から、ご自身の練習に取り入れやすいと感じたもを、ためしてみてください。

ご自分の初見レベルがわからない方は先に、2.初見で弾こうをご覧ください。


毎日の練習メニューに入れる

初見演奏の練習を、できれば毎日のピアノ練習メニューに追加しましょう。普通の練習の前に数曲やるだけです。たった5分のことですね。
16小節くらいの曲を、数曲くらいで十分に初見の実力は上がっていきますが、もっと初見の能力をあげていきたい人は……もっとたくさん初見演奏をやってください。

ただ続けるだけでも、それなりに初見の力はついてきますが、もう少し考えてみましょう。例えば、同じようなことの繰り返しに注目。前半と後半にも似たようなことが出てきた場合などは、初見では少しの違いに気を使って止まりそうになるくらいなら、全く同じに弾いてしまったほうが得策です。

他にも、右がメロディーで左が伴奏という形の曲で、コードがついている場合、左手はコード進行を担当するので、楽譜どおりに正確に弾く必要はそれほどありません。
要するに、コードがCで左手の楽譜がド ソ ド ミという和音が書いてあっても、ド ミ ソでも大丈夫ですし、途中で止まってしまうくらいだったら、それこそ左手はドだけを弾いて乗り切ってもいいのです。
そうやって要領よくやっているうちに、コード進行を生かすような初見演奏のコツをつかめるようになるので、どんどん初見ができるようになります。(当たり前ですが、コードがわかっていて、その和音の形に手がすぐに反応できる人でないとできませんが)

初見で弾くという要領がつかめてきたと感じたら、曲の長くしていきましょう。16小節以上の曲らしいものを用意して、1つの曲のを初見で乗り切れるようなクセをつけます。
だんだん長くして、見開き1ページくらいの曲を初見演奏できるようになれば、かなり初見演奏に自身がつくでしょう。もちろん、曲の長さだけでなく、曲の難易度も少しずつあげていけるといいです。


また、曲のタイプの違いにも、初見で対処できるのが理想的だと思います。
クラシックの古典もののような、左手がアルベルティバス(八分音符などで、ドソミソと繰り返すなどのパターン)が続く曲というのは、初見の練習にはあまりなりません。たとえそのようなタイプの曲の初見ができるようになっても、タイプが違うと対処できない人もいます。特に、ピアノを教則本のみで練習している人に、多い傾向です。

ですから、意識的に異なったタイプの曲をメニューに取り入れましょう。こんな感じで傾向の異なる曲集を、2冊か3冊くらい準備します。

やっぱりピアノがすき!―ブルクミュラー併用曲集
やっぱりピアノがすき!―
ブルクミュラー併用曲集
ギロック ピアノピースコレクション1
ギロック ピアノピースコレクション1
ピアノ弾き語り Mr.Children Best Selec
ピアノ弾き語り
Mr.Children Best Selec

1日に2曲か3曲の初見練習やるとしたら、1曲は大人の初級者ように編曲された曲集もの、1曲は単純ではない短い作品。もう1曲は最近のJ-POPの弾き語りバージョンでコード付のもの、といった感じにするなど、工夫してみるといいでしょう。もちろん、クラシックものを取り入れてもいいと思います。

もっと慣れてきたら、楽譜の常に先を読むようにします。弾く前にザッと見渡して、だいたい頭に入っているようならいいのですが、いざ弾き始めると、どうしてもその箇所のみを見てしまいます。
でも、初見演奏のレベルを上げていくためには、弾いている先をどんどん読めるようになっていくことが必要なので、弾いている最中にも、楽譜のその部分のみを見るのではなく、少し先を読むようにします。そうすることによって、止まらずに演奏ができるのです。

初見がこれくらいできると

ちょっと余談ですが、私の知人は、ピアノを弾くという技術自体はそれほどでもないのですが(失礼なこと言ってすいません)、初見演奏をするということにかけては、抜群です。
例えば、ポップス編曲ものや声楽の伴奏の初見演奏も大の得意で、かなり込み入った音符が並んでいるような曲でも、まだ2ページ目の最初の段を弾いているうちに、ページをめくって3ページ目を読むのです。意味がお分かりでしょうか?
2ページ目の残りはすでに読んだので、早目にめくって次を読むということなのです。
これは本当に凄いことだと思います。ピアノ演奏の質がそれほどでないにしろ、初見で楽譜を読む能力の素晴らしさは、拍手に値すると思います。

この友人くらいに初見ができると、ドラムやギター・歌などのほかの人を合わせる時も、とてもスムーズにできます。歌い手が本番の直前に曲目や編曲を変更しても、楽譜があればすぐに対応できるのです(まあ、この知人は聴音力も相当なので、楽譜が無くても歌に合わせてそれらしく弾けますが)。
また、「これ弾いてもらえますか?」といったリクエストにも、楽譜があるだけで答えられるんですね。


少し気をつけたいこと

こういった初見演奏の練習というのは、通常のピアノレッスンではあまり教えられていないかもしれませんが、練習を重ねるうちに、楽譜を見たらすぐに弾ける・難しい曲の譜読みも速くなるなど、とても効果的です。ですから、普段のピアノ練習のメインが初見演奏という人もいるくらいです。

しかし、ちょっと気をつけたい点もあります。指使いも気にせずに、ミスがあっても止まらないで最後まで弾ききるということは、とても大切なことですが、これに慣れきってしまうと、普段から細かいミスを気にしなくなったり、指使いがおろそかになりがちで、技術的にはあまりいいことではありません。
ですので、音階や分散和音や和音の基本的な指使いは、最低限マスターしておいた方が、初見でもいいのです。それらの基本指使いを、初見でも実行できるのが、本当にいいことです。特に和音(コード)の基本パターンの指使いは、コードネームが付けられている楽譜の初見演奏では、大変有効です。

また、初見演奏では、その曲の音楽構造や曲想などは一応全体をみて把握しますが、深くは考えている余裕はありません。ピアノを弾くことに慣れてはいきますが、音楽的に深く追求する勉強にはなりません。
ですので、人前で発表する曲などは、やはりしっかりと練習をして、体に習得させた上で弾いた方がいいと思います。「初見ができるから、別に練習しなくてもいいや」と思って弾くと、聴いている方にもわかってしまうものです。

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