ピアノを弾くことが上達への道ですが、指を鍛えるの付録コーナーとして、指の運動をご提案。
日常のちょっとした空き時間などにできる指の訓練法を、「気軽に指訓練」と題していくつかご紹介します。電車の中や駅のホームでの待ち時間も、指の訓練をして有効活用してしまいましょう。
伸縮動作で筋力アップ
筋肉というのは、伸ばすと曲げるを繰り返すことによってダメージを受けた筋肉が回復するときに、より強化されるわけです。ですが、たくさんやればいいというものでもなく、力の入れすぎは固さにつながるので、ゆっくりストレッチするように曲げ伸ばしをする良いようです。
やり方はギュッとグーをつくり、5秒間維持したらゆっくり5秒間かけてパーに形に伸ばします。パーの形も5秒間維持。そしてまた5秒かけてグーにします。あとはこれを数回繰り返すだけ。あまり力を入れすぎてもいけませんので、ほどほどにやってみましょう。
神経の独立を高める指寄せ
この動作も結構有名ですが、一応イラスト(指寄せイラスト)を交えて解説。
指を伸ばした状態で隣り合った指はくっつけます。そして、中指を人差し指と側に寄せてから薬指側へ寄せましょう。
これは慣れないと難しい動作だと思います。脳からの命令が神経を伝わって正確に動作が出来るかということなのでしょうが、無理に力を入れたからといってできるものでもないのです。
少しできるようになったら、速さを変えて挑戦してみてください。ゆっくりが簡単とは限らないのが面白いところです。中指で出来るようになったら、薬指でもどうぞ。中指よりも少し難易度が上がったように感じるでしょう。
物をつかんだあとは軽く指を伸ばす
これは指の訓練そのものではないのですが、大事なことです。生活で物をつかむ動作は多くありますが、これはピアノを弾く人にとってはちょっと困りもの。経験がある方もいるでしょうが、物をグッとつかんだ直後というのは、ピアノのような指を使う動作はやりにくくなってしまうのです。
それの予防も兼ねて最初に伸縮動作で筋力アップを提案しているのですが、物をつかんだあとにも指のストレッチをやりましょう。難しく考えなくてもいいのです。指をゆっくりと軽くそらせればOKです。
生活で物をつかむ動作といえば、自動車の運転やテニスやゴルフなどのスポーツ、包丁や鍋を持つなどの料理でも多いものです。これらの直後にはピアノを弾こうと思ってもすぐには指が思い通りに動かないこともあるので、そんな時には軽くストレッチをしてみてください。
コロコロ指廻し
この動作も有名なので、既にやっている人も多いでしょうが、一応イラスト付で説明します。
両手の指の先を付けます。それほど先端である必要もなく、適度に指の腹近くでいいでしょう。そして、親指を離してぶつからないようにコロコロと廻します(指廻しイラスト)。他の指の先が離れてしまわないように。
数回廻したら、回転の方向を逆に。やりやすい方向とそうでない方向があると思います。親指から人差し指・中指と順場にやっていきましょう。
最も苦労するのは、やはり薬指だと思います。小指の先がすぐに離れてしまうのです。この薬指が出来るようになればかなりの指回しレベルでしょう。これも慣れてきたら速さを変えて試してみてください。
これらの中で最も効果が実感できるのは、指廻しでしょうか。かなり意識をしてやらないと廻していない指の先がくっつきからはずれてしまうので、神経と筋力の同時訓練になります。特に3・4・5の指に有効ですし、動きが遅い親指を付け根から動かす練習にもなります。
もちろん、これらの指練習が上手くなったからといって、即ピアノの上達につながるわけではありません(時々指廻しのみがとても上手な人もいます)が、指をよりよく動かすための少しの助けにはなると思いますので、空き時間があったら少しやってみる習慣をつけると、長い目でみたときに効果が現れると思います。