ピアノ印象レポートのページです。今回は、
BOSTON ボストン
を弾いてみました。
世界の最高ピアノメーカーの一つであるスタインウェイが設計をして、日本でカワイが製造しているピアノブランドの“BOSTON ボストン”。ピアノ指導者で愛好されている方も多いと思います。
その印象を簡単にレポートしてみましょう。
ご注意 このページは個人の主観的な感想であり、ピアノのメーカーやブランドの個々の機種の解説ではないということをご理解下さい。
また、同一機種のピアノでも設定場所の環境や調律、弾かれてきた年数等によって音も弾き応えもかなり異なりますので、「こういうピアノがあるんだ」という参考程度にお読みいただければと思います。
楽器店にて
ボストンピアノを置いている都内の楽器店にて試演奏してみます。
まず193cm(「奥行き」の長さです。以下同じ)のグランドピアノ“GP-193”を弾いてみます。
第一印象としては、しっかりと鳴っていて柔らかい感じの音色と持ったピアノ。タッチ感としては幾分軽めで弾きやすい印象です。
高音は澄んだ響きで、中低音もこの大きさくらいですと物足りない感じはしないので、良いバランスだと感じます。普通の家庭の6畳のお部屋に入れるには少し大きいかもしれませんが、10畳くらいのスペースがあるなら良い選択になりそうなピアノでしょうか。
次に、215cmのグランドピアノ“GP-215”を試演奏。
さきほどの193cmでも中低音は十分なくらいに感じていましたが、弾き比べるとこちらは一層充実した豊かな響きをしているように思います。
タッチ感としても、わずかな指先の動きに機敏に反応してくれる感覚で、迫力のある音も繊細な音も幅広く演奏できるように感じます。音色はやはり柔らかい傾向に感じます。
次はボストンでは最も小さな156cmのグランドピアノ“GP-156”を弾いてみます。
非常に小さいタイプですが予想以上に豊かな響きで、このサイズで中低音がまずまず充実していることには正直驚きました。目を閉じて弾けば170cmくらいのピアノだと思えるほどです。
迫力や音の伸びという点は、大きなピアノと単純比較すると物足りない感じはしてしまうのですが、ご家庭の4畳半〜6畳といったお部屋のスペースとなると190センチ前後の大きいグランドピアノを入れるには音の関係からも多少無理があるので、こういった小さいグランドピアノも選択肢の一つになってくると思います。(2008-01)
お宅にて
ボストンのグランドピアノを所有されているお宅にて弾かせていただきます。
お持ちのピアノは“GP-193”で、購入されてからほぼ10年とのことです(購入当時は現在の価格に比べて非常に安かったとのこと)。
タッチの感覚としては楽器店に並んでいる新品よりも軽快な印象で、最初はかなり軽い鍵盤だと思いましたが、少し弾いて慣れるとコントロールもしやすくて大変弾きやすいピアノです。
お部屋がピアノを置くために少し広めなつくりになっている(約12畳)せいもあり、ピアノの響きが豊かでありながら、強烈過ぎずに鳴っています。
非常に柔らかい弱い音を出すこともできますし、シフトペダルを使って感じも必要以上に音がこもることなく、響きのあるピアニシモを出せるように思います。
好みによってはもう少しシャープな音色が欲しい方もいるかもしれませんが、全体的に完成度の高いピアノということは言えるでしょう。(2008-01)
補足
スタインウェイの第2ブランドとしてボストンが日本で発売されるようになってから十数年。ピアノ指導者や音大生などのファンを確実に増やしてかなり普及してきたのは、やはりその良さを多くの方が感じているからでしょう。
値段としては、スタインウェイよりはかなり安いものの、国産ピアノとしては高級機種と言えるくらいの値段ですので、購入を検討される方は同サイズの他メーカーやブランドと比較してみるといいと思います。
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