ピアノレッスンのヒント集

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楽器考察〜生ピアノ BECHSTEINベヒシュタイン印象レポート

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ピアノ印象レポートのページです。今回は、

BECHSTEIN ベヒシュタイン

を弾いてみました。
世界の最高峰のピアノメーカーの1つとして有名な“BECHSTEIN ベヒシュタイン”のピアノは、日本ではスタインウェイほどには普及していないものの、昔から定評のあるピアノです。
その印象を簡単にレポートしてみましょう。

ご注意 このページは個人の主観的な感想であり、ピアノのメーカーやブランドの個々の機種の解説ではないということをご理解下さい。
また、同一機種のピアノでも設定場所の環境や調律、弾かれてきた年数等によって音も弾き応えもかなり異なりますので、「こういうピアノがあるんだ」という参考程度にお読みいただければと思います。


楽器店ショールームにて

東京都内の某楽器店ショールームに展示してあるベヒシュタインのグランドピアノを弾かせてもらいます。グレードの高いグランドピアノ(ゴールドライン)と、アカデミーという少し価格帯を抑えたグランドピアノ(シルバーライン)の2種類の系統があります。

まずは、ゴールドラインのセミコンサートサイズの“C-234”です。(機種名の「234」は、グランドピアノの「奥行き」の長さです。以下同じ)
第一印象としては非常にクリアな音であることに驚かされますが、いろいろな曲を弾いてみると繊細で甘めの音色でも弾けます。
一番の感じるのは、自分自身が「今どんな演奏をしているのか」ということが、耳にしっかり伝わってくるということでしょうか。例えば、オクターブの音階や半音階をペダルを踏み続けて弾くような曲でも、うねりが激しい音の渦になるのではなく、きれいに音が重なっていくのがわかります。それでいて力強いのです。

それは、雑に弾いても上手く聴こえるということではなく、弾くと自らの演奏の欠点もすぐにわかってしまうので、もっと良い演奏をしようという気分にさせられるピアノともいえます。ですから、音色の弾き分けや音色の自在な変化ということをとても意識されられるピアノのように感じます。

タッチ感としては軽くもなく重くもなく、弾きやすいと思いますが、慣れるまではコントロールの難しさを少し感じるかもしれません。ペダルの操作感も馴染みがいい感じです。


次に、ゴールドラインでは小さなサイズの“L-167”を弾かせてみます。
234サイズを弾いた直後なので、音の深みやパワーということではどうしても物足り感じはしますが、それでも167センチとは思えないほど伸びのある音で、本体サイズを知らずに弾いたならば並のピアノの180センチや190以上クラスに感じるかもしれません。
並みの小さめのグランドピアノにありがちな浮いているような音質ではなく、クリアでありながらも深みのある音色なので、曲を弾いてみると仕上げたつもりの曲でもさらに進化させていけるような気分にさせられます。

さらにゴールドラインの“B-211”を弾いてみましょう。
これも音の伸びの良さと透明感のある音色、力強さや表現力の幅の広さなどは234センチに迫るくらいのピアノだと感じます。
そして耳に届く音のバランスが非常にいいので、込み入った速いパッセージの部分も弾きやすく感じますし、逆に音が少ないシンプルな曲でもピアノの本来の音で楽しる感じがします。

この3つの機種のゴールドラインのピアノは、大きさによって音の力強さや音色、演奏感などが異なりますが、共通しているのは音がクリアであることと、表現力の幅の広さでしょう。


価格帯を幾分抑えたアカデミーのグランドピアノ(シルバーライン)を弾いてみましょう。
まずは、“A.190”を弾いてみます。
とても弾きやすいピアノというのは第一印象です。たくさんの音を弾いても雑然としてしまうことがないので、歌いやすくて気持ちよく弾けます。
ただし、非常に完成度の高いゴールドラインの3機種を味わった後なので、音の透明感や多彩なグラデーションの表現力というものを比較するとどうしても差を感じてしまうのですが、それでも魅力的なピアノです。

もう少し大き目の“A.208”を弾いてみます。
こちらは、予想よりも音色や表現力がゴールドラインに近いくらいの印象です。これは190と208という奥行きサイズの違いというよりも、調整や調律の具合やピアノの個々の個体差というものの方が関係しているのかもしれません。


補足

一般の家庭などでベヒシュタインの新品を購入することは、よほど予算に余裕がある方のみでしょうから、現実的ではないことは確かですが、信頼できる楽器店でしたら中古の良品も取り扱っているので実際に弾いてみて相談されるといいでしょう。
クリアで透き通った響きは、世界中の一流ピアニストから支持されている音質ですが、調整具合によっても多少異なりますし、人によってはもう少し派手にキラキラとしていたり、逆に渋暗さのある響きが好きな方もいるでしょう。

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