ピアノレッスンのヒント集

  1. TOP
  2. 上達のヒント
  3. 楽曲と教材
  4. 楽器考察
  5. 教室のコツ
  6. PCで音楽
  7. CD・映画
  8. 豆知識
  9. 管理人日記

レビュー〜ときどきコラムと挨拶など

  1. CDレビューロマン派
  2. CDレビュー古典
  3. CDレビュー近現代
  4. CDレビュー協奏曲
  5. 映画の中の
    ピアノ音楽
  6. ときどきコラム
  7. スーパーピアノレッスンをみる(フランス音楽ベロフ)
  8. スーパーピアノレッスンをみる(ロマン派ダルベルト)
  9. スーパーピアノレッスンをみる(情熱セルメット)

音楽の世界について、思ったこと、考えさせられたことなどを、エッセイ風に書いていきます。

音楽って、それが単体で存在しているわけではなく、日常生活やいろんな世界と密接な関係にあるんだなと、最近つくづく思います。ピアノや音楽に関することを中心としますが、他にもいろいろな話題に触れていこうと思います。


芸術性を数値化 10-03-01

バンクーバーオリンピックも終わりました。
日本は期待されたフィギュアスケートの男女のシングルでそれぞれメダルを獲得するなど、金メダルはありませんでしたが全体的に前回のトリノオリンピックよりも躍進した印象です。

今回のオリンピックでは点数の出方そのものは、非常に公平だったように思います。
ジャッジは冷静な判断をしていたようで、良くない演技に高得点が出たり、逆に良い演技なのに点数が抑えられるなどなどの不可解なことは感じませでした。

しかし、見て思ったことは、やはり選手の演技を数値に置き換えることの難しさです。
採点の基準をつくって点数で競うスポーツですから「何点」という数字で点数がつくのは当然ですが、素晴らしい雰囲気を会場につくりあげた選手も僅かなミスがあって一歩及ばなかったり、無理やりつけたようなコンビネーションジャンプが結果的には順位を上げる結果になるなど、細かいところで順位が決まるようにも感じました。

これはピアノのコンクールなどでも似ているところがあります。
国内でも国際コンクールでも、以前よりは単純ミスが大きな減点につながるようなことは無くなったようにも思いますが、優劣つけ難い複数の演奏に順位をつけることはやはり難しさはあるでしょう。
今年はショパンコンクールの年でもあるので、そのあたりも注目してみたいと思います。


2010新年の挨拶 10-01-01

いつも当サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
今年も当サイト「ピアノレッスンのヒント」を、よろしくお願い申し上げます。

昨年も多くの方々のお世話になりながらサイト運営をすることができました。
今年はピアノ音楽にとってはショパンとシューマンの生誕200年という記念イヤーということで、日頃音楽に親しんでいる人以外からも多くの注目が集まっているようで、ピアノ演奏ということにもさらに多くの方々が関心を持ってくださればと思います。

今年も楽譜の選び方の解説などの話題や、教則本や練習曲集などの研究、演奏方法や練習や上達に役立つヒントなど、さまざまなピアノの関する様々な情報を発信していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント piano-advance.com 」 管理人 オムレット


2009新年の挨拶 09-01-01

いつも当サイトをご覧いただき、ありがとうございます。
今年も当サイト「ピアノレッスンのヒント」を、よろしくお願い申し上げます。

昨年からの不況の影響など暗いニュースも多い時代だと思いますが、そうした中でもピアノを弾ける日々に感謝をしながら音楽の持つ力を感じる年にしたいと思っています。
景気の悪化というのは音楽の世界にも関係しているでしょうから、おそらくピアノを習う方や買う方もそれほど増えない状況だとは思いますが、このサイトをご覧の皆様が日々楽しくピアノが弾けるための、充実したピアノ生活がおくれるための少しでもお役にたてればと思っています。

今年も教則本や練習曲集などの研究、演奏方法や練習や上達に役立つヒントなど、さまざまなピアノの関する様々な情報を発信していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント piano-advance.com 」 管理人 オムレット


通過点 08-10-30

今年もピアノの各種コンクールが小さな規模から国際コンクールまで日本の各地で行われました。この秋もいくつかのコンクールが行われていますが、今年気がついたことを少し書いてみようと思います。
コンクールというものはその性質上、他人よりも優れた演奏しないと次のラウンドや入賞ラインには届きません。そして、その優れた演奏というものがどういったものかにもいろいろな考え方があり、絶対の価値観などは無いのですが指導者や演奏者の中にもしばしば勘違いのような概念があるようです。

1つは「ミスが勝敗を分ける」といった考え方です。確かにミスタッチは無い方が良いに決まっていますが、たまたま本番でやってしまったちょっとしたミスと、いつも弾けていない箇所や明らかな技術上の到達不足などは全然意味が違います。
それは聴いている側には多くの場合わかるものですから、本番でのちょっとしたミスが差に直結することは最終のラウンド以外では、一般に思われているほど少ないのです。

もう1つ感じたことは「選曲の考え方」です。いくつかのコンクールが指定範囲からの選択となりますが、演奏者の疑問が解消されないままに弾いているようなケースや、持っている技量よりも遥かに上の選曲をしているケースも多く、指導者がもっと選曲に気を使う必要性がありそうです。

こうしたことは、コンクールに上位入賞者をたくさん輩出している指導のベテランの方でも少なくないようですが、ピアノ演奏という原点をしっかりと見つめなおして欲しいと思います。


本来は楽譜から 08-06-10

ここを更新するのも久しぶりですが今回は楽譜から曲を仕上げることについて。
次に弾く曲を選曲した時に楽譜を買うと思いますが、同時にその曲のCDを買う方も多いと思います。楽譜のみで譜読みして曲を仕上げていくよりも、プロの演奏を聴いたほうが曲のイメージをつかみやすいですし、譜読みが速くなりますし譜読みでの音違いを防ぐこともできます。

しかし、「参考程度に」と思って聴いた演奏は脳にしっかりと入り込みます。そして、「曲のイメージ」だと思っているのは、本当は「演奏者が弾いた曲のイメージ」であり、CDの演奏者の影響を少なからず受けることになります。

もちろん影響を受けてもいいのですが、耳からの情報(その曲のCDを聴く)が、目からの情報(楽譜)を上回ってしまうことはよくあることで、作曲者が残した楽譜というものをよく読まないで演奏してしまうことになってしまうのは残念です。
やはり本来は楽譜から演奏を仕上げていくものでしょう。

そうは言ってもピアノ学習者も趣味の大人のピアノの方も忙しい現代ですから、CDを参考にして譜読みを速くするのは悪いことではありませんし、音楽を聴くことは良いことです。
でも出来れば参考に弾く曲を聴く場合には、複数の方の演奏を聴きましょう。少なくても2人の演奏を弾けば、1人の演奏のイメージに固まってしまうことは無いと思います。


サイトリニューアル2周年挨拶 08-02-03

当サイトの全面改良をしたリニューアルオープンから2周年です。当サイト「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント」をご覧いただいている皆様、そして私のサイト運営に力を貸してくださっている諸先生方、直接、間接的に協力していただいている方々にに感謝申し上げます。

当サイトではピアノやピアノのレッスンに対しての「異見の発信」ということを一つのテーマとしていることは、以前より述べてきたとおりです。
ピアノのレッスンの現場や練習での教則本、選曲、指導法、技術など、どうしても固定してしまいがちな考え方に少しでも新風を吹かせて、ピアノを上達していくために、楽しく弾けるための方法を、さらに深い情報を少しでも提案していきたいとの思いから、サイト運営をしております。

ページ数も次第に増えてきて、しばらく手を入れていないコーナーもあるのですが、日々少しずつでも改良と修正そしてページの追加をしていきたいと考えております。今年は各メーカーやブランドのピアノを実際に試弾しての印象レポートも随時追加していく予定となっております。
まだまだ至らない点も多くありますが、今後もよろしくお願いいたします。

「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント piano-advance.com 」 管理人 オムレット


2008新年の挨拶 08-01-01

あけましておめでとうございます。
今年も当サイト「ピアノレッスンのヒント」を、よろしくお願い申し上げます。

昨年の1年間は、皆さんはどんな曲を弾きましたか?また曲の仕上げの満足度はどれくらいだったでしょうか。
おそらく多くの方は、当初予想していたよりも練習曲や教則本が進まなかったり、目標としていた発表会やコンクール・コンペティションなどでの演奏もうまくいかなかったというマイナス面が心に残ることが多いかもしれません。

そのような反省があることも当然良いのですが、ピアノ演奏というのは小さな練習の積み重ねが大事であり、技術も感受性も日々変化していくものですから、結果ばかりを振り返ることなく、先を見て前向きな姿勢で演奏を続けたいものですね。

これから始まる1年が、さらに良い年になりますように、楽しくピアノが弾けますように、当サイトや管理人日記が少しでもお役に立てれば幸いです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
サイト管理人 オムレット


ピアノメーカーの動き 07-12-10

この秋にピアノ関連で少し話題になったことと言えば、日本メーカーによるヨーロッパの老舗ピアノメーカーの買収です。
世界最高水準のピアノを作り続ける伝統あるヨーロッパの老舗ピアノメーカーでも、いろんな事情から独立系でやっていくのは困難なものなのでしょうか。

日本にもかつてはかなりの数のピアノメーカーがありましたが、次第に淘汰されたり吸収合併などで現在では数社のみとなっています。
特に大手の2社は世界的にも良質なピアノを安定して生産しているので日本だけではなく海外での評価も高く、これからもさらに素晴らしいピアノをつくり続けてくれそうです。海外のメーカーの買収や技術提携などの動きも、おそらく良い方向へ進んでいってくれると信じています。

世界的には中国のピアノ事情も注目されているでしょう。昔の日本のように現在はたくさんのメーカーが乱立気味ですが、これもおそらく淘汰されて数社に絞られてくるのでしょう。既に中国の大手メーカーは世界一流のメーカーとの提携生産などもしていますし、日本やヨーロッパ、北米などにも活発に輸出してくると思います。

近年はこうしたピアノ生産の事情もいろいろと変化が激しいのですが、来年はいったいどんな動きがあるのか注目していきたいところです。


決めつけない 07-09-10

ここを更新するのも久しぶりです。
あの真夏の暑さも少しずつやわらいできました。もう少しで秋の気配も感じられることでしょう。

さて、全国規模のピアノのコンペティションの季節も終わり(他にも秋からのコンクールなどもありますが)、ピアノ練習やレッスンのペースアップも落ち着いたという方もいらっしゃるでしょう。小さな子供や小学生の場合には、もしかしたら父母も方のほうがコンクールに熱心な場合もありそうです。
ある程度の年齢になるまでは、親がピアノのレッスンに付きそったり、自宅での練習をうまくサポートするのもいいと思います。ピアノを弾いているのに、全くの無関心だと子供も残念なものです。

しかし、親の熱心なのはいいのですが、「うちの子はこんなタイプ」と決めつけているような場合もあり、少し疑問に感じることもあります。
例えば、子供は楽譜を正確に読むよりも、音を聴いて弾いているうちに演奏が一応の形にある場合が多いものですが、それを「うちの子は感覚が優れているタイプ」とか「きちんとは弾けないこともあるが、音楽性はあるタイプ」などと思ってしまう親もいます。

でも、子供の場合はタイプを2つに分けられるような単純な話ではありません。多くの子供は感覚が優れているものですし、耳から聴いて弾く方が得意なものです。そして、それはピアノ演奏の素晴らしさの本質とは異なります。
親は自分の子のピアノ演奏を最大に評価するのは当然ですし、良いことだと思います。しかし、「こんなタイプだからこんな曲が得意」などと決めつけたりはせずに、もっと長期的に見守ってあげることのほうが、演奏の上達につながるように思います。


夏休みですね 07-07-26

ここを更新するのも久しぶりです。
もう夏休みに入っている学校関係の方が多い時期でしょうか。休み期間が長いと、自由な時間が多く何でもできそうな感じがしますが、勉強もその他のことに関しても意外にテンポよく進まない経験は多くの人にあることだと思います。

さて、今月は「よい指導者を見つけるには」の3ページに手を加えて更新しました。夏休み期間の体験レッスンや講習会などの行われているようですから、参考程度にお読みいただければと思います。
ピアノは多くの場合個人レッスンで1対1の関係になりますから、良い質の高くてわかりやすい指導を求めるのはもちろんこと、やはり人間の「相性」というものは、少なからず影響するものです。既にかなりの腕前であったり、専門志向の人にとっては、「レッスンは厳しいもの」あるいは「怒るような先生でも耐えていこう」という気力でやるのもいいのですが、一般的な子どもや趣味のピアノ大人には、そういったことではピアノを続けにくいのは当然でしょう。

ですから、より良い指導者を選択したいと思うのは当然ですが、これもタイミングのようなものもあり、「意外に近所に生徒数人の良い先生がいた」なんて話も聞きまし、「紹介されたけど相性がちょっと・・」のようなことも、よくあることでしょう。
でもどんな場合でも「生徒側は堂々とする」ことは大事です。レッスンに通うことは、それなりの対価を支払っているのですから、レッスンでの指導はしっかりと聞きつつも、疑問点や質問するような積極的なレッスンを心がけてみるといいでしょう。


新年度の始まりです 07-04-05

4月は桜に季節、学校も仕事も新年度で始まりの季節です。
最近は大人のピアノが人気ということもあり、3月いっぱいで定年退職された方で、この新しい季節にピアノをはじめようと思っている方も多いのではないでしょうか。

ピアノは幅広い年齢層に支持されている楽器です。いつからはじめても良い趣味になる可能性があります。
しかし、始めることに抵抗感がある方もいるでしょう
「本当に上手くなるのか?」「始めるにはどの程度の楽器を準備すればいいのか?」「高い楽器を家に置いても、結局は弾かなくなるのでは・・・」
初めてみたいけれど、そんな不安を誰でも持っているものでしょう。

まず、「上手く弾けるようになるのか?」ですが、これは目標がどの程度なのかは人それぞれなので、一概には言えませんが、弾きたい気持ちがある人なら、ある程度の時間をかけて練習すれば、確実にレヴェルアップしていくものです。

次に始める時の楽器ですが、ピアノが家にあれば古くてもそれを使うといいでしょう。10年以上もそのままにしていて、おかしな音を出すようなピアノでも、調律師さんに一度診てもらうと結構良い音を出してくれるようになることもあります。
ピアノをお持ちでない場合は買うことになりますが、最初から高品位のグランドピアノを購入する方、中古ピアノを考える方など、お住まいの事情によってかなり異なると思います。予算に余裕があるなら、大人の趣味のピアノこそ小型でも高品位のグランドピアノが良いかもしれません。

さらに、「結局は弾かなくなるのでは」と考える人もいるかもしれませんが、私は逆に、弾かなくなっても良いのでは?と思います。生活のリズムなどの変化によって、弾けない時期、弾かない時期ができてしまったとしても、家にピアノがあればまた弾きたくなる人も多いそうです。「弾かなくては」といった義務感があると負担ですから、ここは気楽に考えてもいいでしょう。

どんな趣味にも、夢中になったり、少しテンションが落ち気味に時の両方があるものです。ピアノはすぐに音が出せる気軽さと、極めることが非常に困難な部分の両面を持った楽器ですから、時にはじっくりと、時には気軽に弾いてみることが、楽しく続けられるコツではないでしょうか。


この季節は初心者と初級者特集 07-03-22

ここを更新するのも久しぶりです。
この3月と4月くらいは、ピアノをこれから始める人、初めてレッスンに通う人、再会する人など、ピアノ初心者や初級者などを意識してサイトの更新や追加などを行っています。

例えば、教則本では今月始めに「グルリット初歩者のための小練習曲」を取り上げていますが、1冊タイプの初心者用教則本としてはボリュームが少なめなので、使いやすさもあると思い選んでみました。ピアノの先生方にも、選択の一つとして検討されてみてはいかがでしょうか。

また、ピアノを購入する方が多いのこの時期らしいので、ひとつの目安として「楽器考察」のコーナーに追記と修正などをしました。電子ピアノを買うにしても、大きめのグランドピアノを買うにしても、安くはない買い物になるので、一度お読みいただければと思います。

春は入園・入学・就職など、始まることがたくさんの季節ですから、ピアノを習い始める人も多いでしょう。でも、一度にたくさんのことを始めると、どれも中途半端になってしまうこともありそうですから、少し落ち着く連休後に習い事を始めるのも悪くない選択かもしれません。


サイトリニューアルから1周年挨拶 07-02-01

当サイトの全面改良をしたリニューアルオープンから1年が経ちました。当サイト「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント」をご覧いただいている皆様、そして私のサイト運営に力を貸してくださっている諸先生方や協力していただいている友人達に感謝申し上げます。ありがとうございます。

全面リニューアルしたのが昨年の2月ですが、当サイトではピアノやピアノのレッスンに対しての「異見の発信」ということを一つのテーマとしています。
それは、世の中にある「ピアノを習うってこういうことでしょ」、「ピアノのレッスンではこの本を必ず使うのが当然だよ」といった既成の概念に対して、「もっと柔軟に楽しくピアノを弾こうよ」、「こんな考え方もあるよ」というメッセージの発信でもあります。

ですから、例えば従来からの日本のピアノ教育の主流教則本である「バイエル」や「ツェルニー」といった教本に対しても、「別にバイエルじゃなくても良い本はいっぱいあるし、バイエルはピアノの基本とは関係ないですよ」といったことや、「ツェルニー以外の練習曲集もありますし、練習曲をほどほどにして曲の難易度をあげていけば、ベートーベンもショパンも弾けますよ」ということを提言させていただいています。

ピアノ教師の方々やバイエルでピアノをはじめたり、ツェルニーでがんばってピアノを習ってきた方々、そしてバイエルやツェルニーでピアノを習っているお子さんがいる親御さんは、当サイトを見て「こんなこと、とんでもない!」とか「バイエルは基礎で、ツェルニーも絶対に必要なのに、このサイトの管理人はおかしい!」と思われるかもしれません。

それでもいいのです。おそらく多数派ではない考え方ではない「異見を発信」しているのですから。そして、当サイトをじっくりと読んでいただければ、「バイエルやツェルニーはダメで他が良い」、「趣味の人はすぐに目標曲のみを弾けばいい」といった単純な話をしているわけではないことは、ご理解いただけると思います。

そしてお読みいただいた方が、「バイエルもツェルニーもやっているけど、タイプの異なる他のものも弾いてみよう」、「そうか、ツェルニー30番をやるなら、それまでに実力を付けた方が良さそうだ」、「曲中心の今のレッスンに自信を持ったぞ」、「ツェルニーを中途半端でやめて私にも、弾ける曲はたくさんありそう」、「このサイトの内容に納得いかないから、やっぱりバイエルが良い」など、何でもそれぞれ感じて考えていただければと思います。どんな教則本や練習曲集も使い方が大事なことは、ピアノを弾いている方ならどなたでも実感されていることでしょう。

ピアノの技術面やピアノ教室についてなど、その他のコーナーも同様に考えるきっかけとしてお読みいただき、当サイトを「ピアノをより楽しく弾いて上達できるきっかけ」にしていただければ幸いです。
まだまだ至らない点も多くありますが、また日々勉強してより良いサイトにしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント piano-advance.com 」 管理人 オムレット


この1年はどんな年でしたか 06-12-28

今年も、当サイト「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント」をご覧いただきまして、ありがとうございます。皆様は、この1年をどのように振り返っているでしょうか。ピアノを楽しく弾けた1年でしたか?

今年の2月に全面リニューアルしましたが、内容の執筆や運営にあたっては、多くの方のご協力をいただきました。またご覧いただいて方々からも、メールでの励ましやご意見なども多数いだいたき、日記へのコメントなどもいただき、本当にありがとうございます。特に諸事情によりピアノのレッスンには通うことができずに、独学で弾いている方から、サイトへのお礼のメールもいただけたことは、とても励みになっています。

ご覧いただいた皆様の楽しいピアノ生活に、少しでもお役に立てるような内容にしていくため、日々改良を重ねていますが、まだまだ至らない点も多く、整理されていないページも多数あります。当初構想していたサイト内容の追加なども、予定どおりには進行しないまま、もう今年の年末を向かえることになりました。

それでも、ピアノを弾くということに関して、多くの方が抱いている疑問などの解消に役立つ情報を、少しずつでも提供できているのではないかと思います。
ピアノを弾き、いろいろとまとめて、今後もさらに充実したページになるように努めていくつもりですので、よろしくお願いします。
来年が今年以上に良い年になりますように。

「Piano lesson hint ピアノレッスンのヒント piano-advance.com 」 管理人 オムレット


進歩が伝わる早さ 06-12-07

ここを更新するのも久しぶりです。
今回は進歩について少し触れてみます。

管理人日記(ブログ)でも何度か触れたことがありますが、医学での治療法の進歩や、スポーツ分野でもトレーニングや戦略の進歩というのは、凄まじい勢いで変わっていて、数年前のことなど全くといって通用しないほどの分野や事柄もあるそうです。医学でもスポーツでも「機械(道具)」と「人間の考え方や実戦」の両方が進歩しているのでしょう。特にスポーツでは、最新の理論などをすぐに実戦に結び付けなければ世界では戦えないようです。

音楽の分野ではどうでしょうか。「機械(道具)」ということで言えば、ピアノはメカニックな楽器ですから、日々の研究で改良されて新しいモデルは進歩していると言えそうです。例えば鍵盤を弾いてから戻ってくるまでのスピードがアップしたとか、響きをより良くするために弦や板が改良されるなど、各楽器メーカーはとても研究熱心です。
ですが、買う側(弾く側)の意識はどうなのでしょう。「あれが良い」、「こういうのはダメらしい」などのうわさのような情報が多くあり、ピアノの指導者でも楽器についての知識はあまり深くないのが現状だと思います。

「人間の考え方や実戦」の方はどうなのでしょうか。ピアノ奏法や練習方法は、確かに昔と比較すると変わってはいるでしょう。現代の一流ピアニスト達の技術レベルは、数十年前のピアニストたちよりも格段に進歩しています。ここ数年の流行の弾きかたというのもあります。
ですが、ピアニストを目指すわけではない人の練習のメニューにも、従来からの指導者が経験してきたメニューを基本だと思って組み込むなど、固定された概念が強すぎる傾向はあるように思います。

このように、常に進歩している部分と、そうではない部分がピアノなどの音楽分野にはありそうです。そして、これだけ情報が広がるスピードが速い時代になっても、なかなか広がらない知識も多くあるのは、音楽分野の特徴なのでしょうか。


テレビレッスン番組のあり方とは 06-10-13

ここを更新するのも久しぶりですね。
今回はサイト内でも感想を書いている、教育テレビの「スーパーピアノレッスン」について少し触れてみます。

現在放送されているシリーズは、ミシェル・ダルベルトの「ロマン派ピアノ作品」で、シューベルトやリスト、シューマンなどのレッスンが続きます。これまでの回を見たところだと、ダルベルトというのは、知識が非常に豊富で紳士的な雰囲気を持っているピアニストであり、生徒への指示も明確です。
楽譜の細かな点までしっかりと読み込むことと、それに無いことを加味していくことやイメージ的な要素、そしてテクニックと、多くのことを話題にするので、テレビのレッスン番組という企画に向いているようです。

こういったテレビレッスン番組というのは、教師役の人選などもおそらく大変なのでしょう。かなりの時間を使って撮影することになるでしょうし、生徒の質も大事です。
教師としてはこれまでに、前回シリーズ「フランス音楽」のベロフ、それから「ショパン」のルイサダ、「大曲」というテーマでトラーゼ、「モーツァルト」でアントルモン、などでした。他にももっと昔だと、「ベートーベン」でオピッツや「ショパン」でカツァリスなども番組もあったと記憶しています。

今あげた中では、ダルベルトとベロフ、ルイサダなどが、レッスン番組としては見やすい感じだったと思います。ただし、ルイサダのショパンでは、生徒のレヴェルが必ずしも高くないことも。
アントルモンのモーツァルトは、全体的に疑問でした。アントルモン自身のいろいろな指示がモーツァルトを得意として研究しているピアニストと比較すると、少し違うかなという印象が多く出ていました。また、生徒のレヴェルもかなり低い場合もあり、驚きがありました。

番組をつくっているうちに、だんだんと質は向上してきているとは言えそうです。ただモーツァルトイヤーにモーツァルトレッスンの放送を合わせなかったのは、どうしてなのでしょうか。


夏は体力勝負 06-08-04

8月のはじめですから、まだまだ学校は夏休みが続きます。暑い中、音楽のイベントも各地で盛んに行われているでしょう。スポーツなども各種大会や合宿などが行われているようです。

激しいスポーツほどではありませんが、暑い中ピアノを集中して弾くことは体力が必要です。手ごたえのある曲にじっくりと取り組み時などは、それをより実感するでしょう。
そういったときは、体のケアも大切です。ピアノを弾くということは、脳を使いますし神経も疲れます。体の多くの箇所の筋肉も疲労するものです。

しかし、スポーツなどの分野では一般のスポーツ愛好家も体のケアに関心が高そうなことに比べると、そういった疲労に対しての対策をしている人は、音楽の系統の人には少ないように思います。演奏や練習の前後にストレッチやマッサージをしている人もいるでしょうが、あまり一般的にはなっていないようです。

また、音楽ではそういった準備運動的なことや体力強化を、嫌う傾向がどこかあるようにも思います。音楽はスポーツとは違いますが、体を使って演奏しているということを、もっと真剣に考える必要はありそうです。練習の合間に水分補給だって必要でしょう。
ピアノも声楽も管楽器も弦楽器も、体の真がしっかりとして体力も十分あるほうが、余裕のある演奏ができると思いますが。


単純ではない強化策 06-07-04

日本中で期待されたワールドカップサッカーの日本代表の結果は、皆さんご存知のとおりです。1次リーグで1勝をあげることができずに敗退でした。
「初戦のオーストラリア戦のあと10分が・・・」とか「クロアチアには勝てただろう」といった見方もできますし、根本的な強化策が必要という声もあるでしょう。

長期的な強化策は必要だと感じますが、これは既に始まっているのでしょう。小学校高学年から中学生くらいの優秀な選手を集めての選抜が代表クラスにはなるには、もう少し時間がかかりそうです。

よく言われるような、体格の違いはどうでしょうか。確かに大型選手ばかりの国もあるようですが、メキシコやアルゼンチンは必ずしも大きくはありません。サッカーに限らずピアノなどの音楽でもそうですが、日本人は体格を言い訳にしてしまいがちな傾向はありそうです。

もっと海外のリーグに出て行くべきだという人もいます。これは当たっているとは思いますが、根本的な策ではないように思います。ウクライナはほとんどが国内リーグの選手だそうです。ドイツやイタリアも国内のリーグ選手らしい。もちろん、リーグのレベルは異なるでしょうが、日本もJリーグの質を高めるのが先だと思います。別に留学などしなくても、国内で素晴らしいピアニストやバイオリニストはたくさんいるのと似ています(サッカーは対戦相手がいるので、似ていない部分もありますが)。海外の空気に触れることは新鮮さのあることですが、それだけではレベルアップにはならないこともあります。

日本は豊かになってハングリー精神が無いなどと言う人までいました。スポーツで負けるとこういった考えがでてくるのですが、少し違うような感じです。確かに国内のリーグである程度活躍して、CMなどにも起用されてテレビ出演などもしていると、それで満足感がある選手もいるでしょう。しかし、本当に意欲のある選手は物質や金銭だけでは充たされていないはずです。

監督が悪いというのも言われました。これは正直わかりません。もしジーコではない監督だったらという仮定の話は成り立たないからです。実は私も「この生徒は他のピアノ指導者ならもっと上達しているのではないか?」と考えた時期もありました。しかし、それは考えてもわからないことなので、意味がありません。

といった感じで、少し考えてみても指導や強化策は単純ではありません。よくテレビで解説者やコメンテーターが「日本の敗因はこれです」などといってズバリと1点か2点に絞っていますが、そういったものではないと思います。あれは演出みたいなものでしょうか。
もしサッカー解説者が本当にそのようなズバリの解決策があると思っているなら・・・その人は解説は少しはできても、指導者にはなれないでしょう。


聴こえ方の違い 06-05-15

クラシックの演奏会へほとんど行ったことがないという友人が少し興味を持ったので、数人を誘って演奏会へ。ピアノの独奏や小規模な室内楽よりも、迫力や体験してもらいやすいと思われるオーケストラの演奏会とし、一応の有名楽団と無難なプログラム(バイオリンの協奏曲と交響曲)を選びました。

すべての演奏が終わり、近くで食事でもしながらの友人達の感想はというと……見事に反応が似ていました。要約すると、前半のバイオリン協奏曲は楽しかったようです。ちょっとスリリングな感じがして、聴いている側の集中力も高まるような、緊張感があったとのこと。ところが、後半の交響曲は思ったほど感動的ではなかったということでした。

こういった反応は、その日の演奏の質からすると私の予想の範囲内ではありましたが、私の感想はちょっと違いました。まず、バイオリン協奏曲のソリストは、あまり本調子ではないようでした。何か神経質というか慎重な感じがして、ある種の緊張感があったにせよ、躍動感などには乏しい演奏でした。
次に、交響曲はかなりいい質だっと思います。弦パートが非常に鳴っていながらも重くならないので、ホール内によく響き渡っていました。演奏時間も短く感じたほどです。

友人達の感想もわかります。協奏曲の緊張感は独特のものがあるので、休憩を挟んでオーケストラのみの曲を聴くと、ソリストの演奏という緊張感がなくなってしまい、その結果幾分退屈に感じる人もいるかもしれません。これは結構よくあることで、思い返してみると、私も子供の頃はそうだったのかもしれません。


ピアノ独学はどこまで 06-04-16

「ピアノは独学では弾けるようにはならないのですか?」という質問を受けることがあります。これについては即答できるようなものではありません。その人の資質にもよりますし、目指すレベルによっても違います。

ただ、ある程度なら独学で弾いても、かなり上手くなるとは思います。一度もピアノの先生ついたことはないのに、かなりのレベルのピアノ演奏をする人も、これまでに何人か知っているからです。しかも、そういった独学の人は、自分でいろいろと工夫をすることが多いので、意外にも自己流からくるおかしなクセのようなものがないものです。これは一般的に思われている事実と、ちょっと逆かもしれません。

ですが、限界とまではいわなくても、習わないとわかりにくいことがあるのも事実です。例えば、「多くの楽譜にはこのような指づかいが書いてあるが、実はこのようにすると弾きやすい」とか、「このように手を使うと、効率よく弾ける」などの、主にテクニック的なことでしょう。本をたくさん読んだり、自分で考えるだけでは、解決できないこともあるように思います。

また、鍵盤を強く弾けない人が、独学の人には多いかもしれません。ホールのように、少し遠くの人にも届くような演奏をするという意識も薄いので、ピアノ(小さく)と書いてあると、聴こえないくらい音量を落としてしまう人もいます。

こういったことから、普段は独学や自己流でピアノを弾いている人も、機会があればレッスンをどこかで受けてみるのもいいでしょう。1回のレッスンや短期のレッスンをしている指導者も、探せばいると思います。そういったことから刺激を受けて、また上達していければいいですね。


本人は例外というものですが 06-04-03

ピアノの先生がレッスンのときに、生徒にお手本のように弾いてみせるほうがいいのかは、意見の分かれるところです。弾くのが当たり前のような気がしますが、生徒が弾く曲全部を把握するのも、現実には難しい場面もあるでしょう。

私の多くの指導者について習ってきましたが、高度な練習曲やベートーベンのソナタを全て弾いてみせてくれる人、本人はほとんど弾かない人など、さまざまでした。中には弾いてみせてくれるけど、あまり上手くない人もいました。

ただ、ピアノのレッスンの場合、先生が上手かどうかは、本当はあまり重要ではない気がします。もちろん素晴らしい演奏の例を示してくれるとうれしいですが、レッスンで大切なことは指導内容が適切かということであり、先生の演奏レベルではないのです。スポーツのコーチなどでも、普通は選手を既に引退した人が多いので、現役選手よりも素晴らしい見本プレーをして指導することは、おそらく少ないでしょう。

では、全くピアノを弾けなくても指導はできるのでしょうか?
これも難題です。以前はバリバリ弾けていたけど、何らかの事情により現在は全く弾けない指導者と、元からピアノは全く弾けない指導者では、かなりの違いがありそうです。これについては相当長くなってしまいそうなので、またの機会にしますが、現実に元から全くピアノが弾けない指導者は存在します。

要するに、指導者本人は例外なのかもしれません。弾けても弾けなくても、生徒が上手になれば問題にならないですし、指導者自身ができないことを、生徒に要求してもおかしくはないのです。
ですがピアノ演奏の現役にこだわっている指導者も多いでしょう。自分が出来ないことを、人に指導することに抵抗感があるのはわかります。

私自身は現在のところ生徒が取り組む曲を、演奏例として示すかどうかは別として、基本的には弾きます。自分が弾いたことのない曲を、楽譜の読みだけでも指導者はできなくもないですが、やはり弾いてみないと感覚的につかめないこともあるような気がするからです。


ピアノ奏法そのうちいろいろと特集を 06-03-17

このサイトではピアノの関する様々な事柄を順次掲載していますが、現在のところ、ピアノの指導者の間では一般的に重要だと思われているのに取り上げていない事柄があります。いつくかありますが、ひとつは「脱力」と呼ばれるものについてです。

「ピアノを弾くのに重要なことは脱力であり〜」のような話を聞いたことのある人は多いでしょう。姿勢をよくして座り、肩に余計な力を入れず、指にも余計な力は入れずに、肘もバタバタさせないで〜そうしないと完全に音をコントロールできません、というようなことです。

そうだと思います。余計な力が入っていないことは理想的であり、特に弾く前に、集中よりも緊張のせいか、固まってしまっている人もいます。既に肩や腕に力が入っている人をみると、私もレッスンで注意することもあります。でも「脱力」という言い方はあまりしません。

この「脱力」という言葉が、あまり好きではないのかもしれません。小学生くらいにはあまり伝わらないこともありますし、日常では「脱力感」のように使用される言葉であって、良い響きの言葉でもないように思うのです。「もう少しこのあたり(ポンッと肩などを軽く叩いて)の力を抜いていきましょう」といったほうが現実的ですし。

そしてもうひとつ盛んに行われているような、「脱力によってはじめてピアノで良い音が出せる」というようなものにも、少し抵抗感があります。鍵盤の自在コントロールという意味ではそうなのでしょうが、ピアノ指導の最優先事項でもないように思うのです。
実は以前は姿勢の正しさや力を抜くといったことは、かなりの優先事項だと思っていた時期もありました。しかし、とあるピアニストのリサイタルを聴いて、ちょっと頭を柔軟にしてみようと思ったのです。

そのピアニストの演奏は本当に素晴らしいものだったのですが、姿勢は極端な猫背でした。そして外見からはどう見てもいわゆる「脱力」なんてできていないのです。その演奏スタイルを良いとは思いませんが、それもアリだとは感じました。要するに出てきた音楽が優先であり、そのための方法論が大事です。

極論をいってしまえば、脱力しようとガチガチに全身に力が入っていようと、同じ1個の鍵盤を同じスピードで底まで弾けば、それは同じ音です。
もちろんピアノで音楽を奏でるということは、次々に弾く鍵盤をコントロールできるかということですから鍵盤1個弾くのと同じというわけにはいきませんが…。

でもそんな風に考えて、全身ガチガチの生徒もピアノの慣れから少しずつ力を抜くことができればと気楽に思えば、指導する側の肩も脱力できそうです。


あたらめて感じる採点の難しさ 06-02-27

トリノ冬季オリンピックが終了しました。注目のされたフィギュアスケート女子シングルは、みなさんご存知のように荒川静香選手が金メダルという、日本としては最高の結果になりました。

新採点システムで初めて実施されたオリンピックのフィギュアスケートだったのですが、大きな混乱はなかったようです。前回のソルトレイクシティーでの採点問題があっただけに、一層の公平性を求めてスタートした採点システムでも、正直少し心配でした。

でも、採点の難しさとをあらためて感じた大会です。2月の上旬の二つ下の項目でも触れましたが、審査員が正直に点数を出せるかどうかということは、選手やコーチの側からはわかりにくいものです。各種の国際大会で高得点が出るという確信を持ったとしても、それがオリンピックでも保障されるわけではありません。

そういう意味では、ロシアのスルツカヤ選手はフリーはミスや硬さが目立ったので低い点数はだとしても、ショートプログラムの点数のプログラム点には、不満の表情をしていたように思います。
彼女は他のロシアカップなどではもう少し高い点が出ていたので、それくらいをもらえると少し過信していたのかもしれません。

フィギュアスケートの専門家ではないので何とも言えませんが、伸びのある滑らかなスケートという意味では、荒川選手の方がかなり上のような気がします。絶対評価になっても競技は比較するものですから、スルツカヤ選手はスケーティングなどの点が出にくくても仕方ないとも思えます。

でもそれならば、普段からスルツカヤ選手に対して、スケーティングやつなぎなどの要素で、低い点数を出してあげればいいと思うのです。逆に荒川選手には、今シーズンのこれまでの大会であまり点数がでていないようには感じていました。本番の出来が良くても悪くても、同じような点数では選手にとって良いことではありません。

また、採点は本番の演技のみに点数を出すものですが、どうしてもこれまでの実績や選手がもっている才能や潜在能力に対して、高得点を出したくなる傾向はあるように思います。これはピアノコンクールなどとも少し似ているので、今後どこまで公平性を突き詰めていけるのか見守っていきたいです。


比べるということ 06-02-11

親御さんの中には、他人は他人であり、自分の子供が楽しくピアノを弾いてくれていれば、それでいいと考えている方のそうでしょう。私自身も他人の演奏と自分を比べることは、あまりしない方なのですが、気になる方には、とことん気になるのでしょうか。

ピアノを習っている子供の生徒さん自身は、そうでもないのかもしれませんが、親御さんにしてみると、どうしても、「○○ちゃんの方が上手らしい」といった、うわさ話を気にしてしまうようです。
例えば、「○○ちゃんはいつもクラスで伴奏をしている」とか「学芸会の合唱で弾いた」などの話を、実際に見ていなくても、話として伝わっているらしいのです。

本来、音楽は誰かと競争するようなものでなないと思います。でも、同じことをやっている人がいた場合、比べるという現象が起こるのが当然でもありますし、先日も書いたように現実にはコンクールなども盛んです。
でも、それよりも「個性」というものを、大事にして欲しいと、いつも感じるのです。自分の演奏を精一杯することに集中できれば、他人を意識することもないような気がします。


いい演奏を認めることは大事 06-02-02

一時期ほどではないにしろ、音楽のコンクールというのは今も盛んです。季節を問わず何かしらの音楽系のコンクールは全国各地で行われていて、全世界を含めると、きっと毎日どこかでコンクールは開催されているでしょう。

スポーツの採点協議などでもたびたび話題になる<採点基準>という、あるような、ないようなもの。しかし、それはどこかに漠然として存在はしているようなきがします。
問題は、採点基準そのものよりも、むしろ審査員がいいものはいい・わるいものはわるいという評価を、素直にだせるかということです。

例えば完璧な演奏に、「ちょっと技術が先行していて、音楽性がない」とか「こどもらしくない」などという評価をする人は必ずいます。しかし、ちょっと考えてみると、それはおかしな審査です。

技術がしっかりとしていることは無条件でいいことです。それは音楽性があるかないかということとは、ちょっと違うはず。また、こどもらしさとは何でしょう?幼稚さを出した演奏がいいのか、ちょっと背伸びしたような大人びた演奏がいいのかを、大人が気分で決めては、子供は音楽がいやになってしまうのはないでしょうか。

昨年の秋に行われた小さな市のコンクールでは、わたしがいい演奏だなと一番感じたハイドンのソナタを弾いた子は、何の賞にも選ばれていなかったようです。審査の点数が非公開なのも、不透明感がさらにつもります。


正しいとか間違いとか 06-02-01

音楽関係のサイトやブログ・雑誌などの表現で、ちょっと気になるものを見つけました。「正しい解釈」とか「間違った演奏」など、正や誤といった言葉が頻繁に出てくるのです。

しかし、そもそも音楽に間違いなんてあるんでしょうか?確かに、それよりもこちらの方が、よりいい奏法や、おそらくこの方が当時の演奏に近い解釈、といったものはあると思います。でも、正解とか間違いとかの言葉はそれこそ間違いではないでしょうか?

テスト形式の正・誤に慣れてしまったから出てきたわけでもないのでしょうが、音楽にそういった感覚を持ち込むのは考えものです。数学だって答えは一つとは限らないですよね。音楽はもっと自由であるものだと思いますが、みなさんはどうお考えになりますか?


もっと自由でも 06-01-28

先週知人のさそいで、とある先生の生徒さん達の発表会へ行ってきました。この先生は毎年地元のコンクールにたくさんの入賞者を出していると高く評価されているようです。確かに生徒さんは皆さんよく弾けています。

しかし、人数が進んでいくうちに、奇妙なことに気がつきました。生徒さんの演奏は、みんな似たような感じの印象を受けるのです。弾いている曲も、古典が中心で似ています。今年は発表会のテーマが古典なのでしょうか?

そうではありませんでした。知り合いの話では、毎年似たような内容の発表会で、やはり古典ものが中心だそうです。メカニックは鍛えれているものの、ちょっと今時これほど個性の無い発表会はめずらしいとも。確かによく弾いているのですが、もう少し曲選びや曲想に生徒さんの自由さがあってもいいのではないかと思いました。


声をだすことが大切では 06-01-21

昨年、小学生や中学生の合唱コンクールが夏にあり、その様子がテレビで少しずつ紹介されていました。
驚いたことは、一昔前とは違って、どの学校も相当練習を必要とするような、難度の高い曲にチャレンジしていることです。

それ自体は悪いことではないのですが、率直に言って、もっと簡単な曲をしっかり声をだして合唱した方がいいように感じます。難曲にチャレンジもいいけど、合唱の基本である、ひとりひとりが声をだしてあわせるということが、できていない学校が残念ながら多いからです。

課題曲と書かれていたので指定の曲だったのでしょうが、、主催者側にも配慮を願いたいと感じました。